【d!】オペレート開始【zm】 (ページ6)

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「お前、中々やるなぁ！」

『お気に召されたようで何よりです』

一定の距離を保ちながら着いて行くと、話しかけられた
少し上擦って聞こえてきたそれは何だか楽しそうだ

「じゃあここはどうや！！」

『えっ』

曲がり角に差し掛かった一瞬のうちに視界から外れたゾム第一近接部隊長
この先は行き止まりである
と、なると……

『ここしかないんだよな…』

天井へと繋がるダクト
確実にこの中に入っていったなあの人

ため息をつき、一度頭の中を整理する
このダクトは各部屋へ繋がるルートがあるため、ゾム第一近接部隊長を見失って数十秒経った今、後を追って行くのは得策ではない

昨日エーミール参謀長から聞いた彼の行動、そして彼の今日の予定などを頭の中で組み合わせていく

『……………よし、あの部屋だな』

ダクトを通って行くゾム第一近接部隊長よりも最短距離で、彼が向かったであろう場所へ足早に私も向かう

＿

一方その頃 -zm side-

「何や、ここは着いて来んのか…」

久々に楽しかったんやけどなぁ
情報管理部にはこの上下運動はキツかったか

ダクトに入り、匍匐前進をしながら考える
俺の速さに着いてくる足は勿論、息一つ上げずに着いてくるようなヤツはそういない
デスクワークばかりで体力も無いだろうと高を括り、尚且つ女だからと馬鹿にしていた自分が情けない

ただ、

「観察する言うて息巻いてたんやからこん中入って着いて来いや…」

先程から何度も頭の中で言い、口にも出してしまう
ダクトの中にも入ってきてこそやろ！！！！着いて来いや！！！！！！！

そうこう考えがループしているうちに、目的地の天井裏へと到着したようで、眼下にはいつものミルクティー頭が見える

今日はどんなイタズラで驚かせてやろうか
ニヤニヤと抑えきれない笑みを浮かべながら俺はダクトから飛び降りた