東卍だろうが何だろうが鉄骨娘はひるまない【２】

最悪 ページ2

より一層呪霊を祓うという気が高まったのはいいが、しかし一向に呪霊との距離は縮まりそうにない



「クッソ！あいつ逃げ足は速いのかよ！！」


もともと距離が開いていたのもあるがそれ以上に呪霊の逃げ足が速い


このまま無策で追いかけ続けてもこちらの体力が削られるだけだと判断し反撃にでる


少しでも呪霊の妨害になるように釘を数本取り出し、放つ


ただ狙いは呪霊じゃない



呪霊の進む先にある木々を狙い、狙い通りの場所に撃つ


そして・・・・

「鄒霊呪法 簪」


釘から呪力が放出されたことによって木々が次々と倒れていく

それが呪霊の逃げ道をふさぐことに成功し足を止めさせることができた


このチャンスを逃すかと今度は呪霊に狙いを定めて金鎚を振り払う

だがわずかに呪霊が動く方が早く、すれすれのところでかわされた

しとめるまではいかなかったが、距離は縮んだ


あともう少しだと確信した


全神経を目の前の呪霊に集中させる


だからこそ気が付かなかった


少し先にある人の気配と、それに近づく大きな呪力に









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ドラケンside

「たけみっちに一万円」


自分も加勢したいところだが、残念ながら思ったよりも傷が深く、とても動けそうにない


ふがいないが任せよう


いつもは頼りなさげなたけみっちが今日は頼もしく見える

この勝負はたけみっちがとるだろうと信じて疑わない


これでエマたちは安心だなと思いながら少しの間だけ目を閉じた


少しずつ意識がぼんやりし始めたのだ

目を閉じて無理やり落ち着かせ、再び目を開く


そこには立ちはだかる複数の不良とそれに立ち向かうたけみっちに


おぞましい見た目をした化け物(・・・・・・・・・・・・・・)



「は・・・・？」


先程までは見えなかった異物に目を見開く


再び目を閉じ、そして開けた

だが一向にその姿が消える様子はない


「どうしたの、ドラケン？」

「・・・・なんでもねぇ」


どうやらエマ達には見えていないらしい

それなら無駄な心配をかけるわけにはいかない


それに、今重要なのは見たこともない化け物より、俺の代わりに戦ってくれているたけみっちのほうだ



何事もなく消えてくれるのを祈りながら、もう化け物に目は向けなかった

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