社長様の言う通り２

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「本当にここに住むつもり？」

仕事を終えて、一回社長の部屋に行きスーツケースに必要な物たちを入れて我が家へやってきた私達

「ここまで来といて追い出すなよ」
「そんな事はしないけど…」
「飯を食べよう。お前は1人の時何を食うんだ？チヂミとチゲとご飯か？」
「何でそれが庶民の定番みたいに思い込んでるのよ。まぁ食べるけど」
「はは！じゃあそれにしよう」

ちょっと地に足がついていないような状態の社長を落ち着かせて料理を始めた

「あの、座ってていいよ」
「庶民の家のいい旦那ってのは手伝ったりするものだろう」
「あはは。そんな無理しなくていいから。座ってて？」

簡単な料理を作って、小さいテーブルで身を寄せ合って食べた

「美味いな。これ、全部でいくら位だ？」

社長がチヂミを頬張りながら聞く

「うーん。今日のは2人分で1000円もいかないくらいかな」

ゴクン、と飲み込み目を丸くする

「お前、天才か」
「いや、普通普通」

関心したようにご飯をかきこんだ社長
食べ終わったらお風呂の準備を始める

「2人で入った方が節約になるんじゃないか？」
「調子に乗らないで入ってきなさい」

チッ！と盛大に舌打ちをしてお風呂に向かった社長

お皿の片付けをしながら考える。
本当に、これでいいのか…？

何だか社長、無理して気丈に振る舞っている気がする

お母様の事
本当にこのままでいいと思ってる訳がないと思った

「庶民の風呂でも疲れは取れるな。お前も早く入ってこい」

相変わらず上半身裸の社長がタオルで髪を拭きながら上がってきた

「は、入る入る」
「まだ照れるのか。不思議なやつだな、もう見飽きてるだろ」
「わー！言わなくていいから！入ってくる！」

バタバタとお風呂に入る

シャンプーをしてバスタブに浸かるとドアの向こうから社長の声が聞こえた
なにやら電話をしている様子だった

「…あの家には居ない。取締役解任については株主に任せる。…あぁ。あぁ…それでいい。会長には俺から説明する」

お母様だ。
会話が終わったのを見計らってお風呂を出た
何か…すごくモヤモヤする

「上がったか。相変わらず風呂上がりは余計に変な顔だな」

何事もなかったかのようにテレビを見る社長の隣に腰掛ける

「ねぇ、ミンソク。本当にこれでいいの？」
「何がだ」
「お母様の事…」

きっと内容も頭に入っていないであろうに
テレビから目を離さない社長に話し掛けた

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