SHINE. (ページ26)

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ー渡辺翔太 sideー

佐久間「あっちぇー死ぬ!いて!」

岩本「病院なんだからデカイ声出すな」

宮舘「ちょっと康二病室そっちじゃないから」

向井「あれこっちやなかったっけ」

阿部「9人で来ると騒がしいな(笑)」

渡辺「ジャニーさん入るよー」

もう何度目か分からないジャニーさんのお見舞い
声をかけて中に入るけど、ジャニーさんからの返事はもう返ってこない

クーラーが効いた、広い部屋に静かに聞こえる機械の音
馬鹿な俺でも、これがみんなジャニーさんの命を繋いでくれてることだけは分かる

深澤「ジャニーさーん。今日は全員できたよ」

目黒「なんか、この前より痩せたね」

ﾗｳｰﾙ「っ、」

弱っていくジャニーさんの姿は何回見ても目を逸らしたくなる現実
ラウールなんてここに来るといつも目を潤ませている。本人が言ってこないから俺達もそっといておいてるけど

岩本「なぁジャニーさん、今日は聞きたいこと聞くって決めて来たんだ
Aどこにいるか知らね?」

ベッドサイドのイスに座った照がおもむろにそう言った

ここでデビューを聞いた日から、Aはどこにもいなくなってしまった

あぁ見えて一人が嫌いなやつだったから、同じ仕事の時はいつも俺達の楽屋にいたし
仕事が休みで誰も捕まらない日は、何もないのに事務所に来てスタッフさんと話し込んだりしていた

いつも誰かの目の届くところにいたはずのAが、いないなんて

阿部「ジャニーさん、A隠したままにするのはやめてよ」

深澤「ほんと。今なら全部許すから、Aどこにいるかだけでも教えて」

問いかけても、規則的な機械音が聞こえるだけ

メンバー以外で、こんなにも大切な存在って結構稀だと思うんだ
一緒に隣に並んでデビューすることを望んでるのは、きっとファンの人も同じ

ジャニーさん、今目閉じてるけど
瞼に俺達がみんなで並んでる姿って見えてんの?

俺はいつでも夢を見る。けどそこにAだけが、一番出てきてほしい人が出てこないんだよ

だからせめてジャニーさんだけは、Aのこと夢に見ててやってよ