契約恋愛【Ren.M】 (ページ7)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:166,440 hit

彼奴と俺ページ7

-

Ren side

数々の舞台で失敗してきた。

似たような顔で、似たような名前の人は
成功しているっていうのに。

…

〈まぁ、そういうこともあるから！〉

蓮「すいません…恋愛モノは苦手で。」

〈お前にはお前にしかない武器があるから。
　大きな可能性がね。〉

…

果たして自分に武器などあるのだろうか。
俺には目白蓮に物凄く似ている、というだけ。

〈もっと自信を持てば、目白蓮のファンも騙せる〉

何だ、騙すって。
第２の目白蓮になんてなりたくない。

街に貼ってあったヤツのポスターを引き剥がした。

“え、もしかして目白蓮じゃない！？”

その場を逃げるように立ち去った。

・
・
・

“３００万円で？”

蓮「少しだけ変われればいいんですけど…」

“そう簡単にはいかないんですよ。
　ビフォーが目白蓮なら、アフターはどうしろと”

蓮「…かっこよくなるために整形するんじゃなくて
　違う顔になりたいだけなんです！」

整形するにも拒まれるなんて。
とりあえず見積書だけ貰って、家に帰った。

「おかえりぃ！」

蓮「はぁ…康二、300万円持ってない？」

ぽかんとする、同居人の向井康二に
そっと整形の見積もりを渡す。

康「え、ナニコレ…何考えてるんよ！
　整形ってあの整形やんな！？」

蓮「康二は自分の顔があって羨ましいよ」

康「めめの顔好きなんにー…」

少し照れたが、この顔は目白蓮なんだ。

なんだか悲しい気分になって夜の街に出る。
特にやることもないのだけれど。

　

蓮「悩みを、傾聴します…？」

目に入った綺麗な公衆電話。
そっと手に取ると、声が聞こえてきた。

〈生命の電話です、どうなさいましたか？〉

-