花恋

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晴side






「僕は、好きだよ」






さっぱりと、



ストレートに言葉を紡いだ馳。



自分でも分かるくらい不機嫌になる。









「映画、面白かったね」






そう言って俺の腕に絡みつく愛莉に対してもイライラしてしまう。





「知らねぇよ」






ふと見えたのは
馳を見上げて笑顔を見せる白峰で。




俺が入る隙なんてなくて。





「帰るぞ」





近くにいた一茶にそう言うと






「拗ねちゃってー」




と頬をつままれる。







「そんなんじゃねぇーよ」









そう言いつつも白峰を目で追っていて。




だから、そんな俺と白峰のことを、愛莉が睨んでいるなんて、まったく気づかなかった。

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