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晴side
「晴。話がある。」
親父からそう言われて緊張しながら親父の部屋に入ると
「神楽木家のために生きると誓うか」
扉が閉まらないうちに、そう問われた。
「もちろんです」
そう答えるのがあたりまえかのように。
その表情を崩さず、親父はまた口を開いた。
「大事な商談だ。座りなさい。」
ソファに座ると、
親父は指を組んでテーブルに肘を乗せた。
「神楽木ホールディングスをさらに成長させるために、白峰グループと手を組もうという話が出ている。」
「え。。。」
白峰グループって。。。
桃乃園の白峰のことだよな。。。
「どうやら白峰家の令嬢は、桃乃園学園に通われてるらしいな。」
「えぇ。その話は聞いています。」
「そこでだ。白峰グループとの話がうまくまとまるように、令嬢と関わりを持ってほしい。」
親父の目は真っ直ぐ俺を見つめる。
逃げ道なんて、ここには用意されていない。
「言いたいことは分かるよな。」
「はい。」
「この商談が上手くいくかは、お前にもかかっている。ということだ。逆に言えば、もしこの商談がうまくいくなら、俺はお前を神楽木家の跡継ぎとして認めよう。」
口角をあげたその顔は、いつまでたっても恐ろしく感じる。
「頑張ります。」
満足そうに頷く親父に促され、
部屋の外に出ると、一気に汗が吹き出した。
責任感?
重圧?
ちがう。
好きな女を利用しなきゃいけないことに対する恐怖だ。
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あい(プロフ) - ひなさん» ありがたい言葉! これからもよろしくお願いします(^-^) (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5d891c1c69 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 早速の更新ありがとうございます(о´∀`о)読ませて頂きました☆引き継ぎあいさんのペースで書いて頂ければと思います(^^) (2018年7月20日 21時) (レス) id: 4d0c37ce82 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!更新間隔があかないように頑張ります(^-^) (2018年7月20日 20時) (レス) id: 5d891c1c69 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - なかなか無い作品です!続きがとても気になります♪ (2018年7月20日 15時) (レス) id: 4d0c37ce82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2018年7月17日 21時