鍛練(参) ページ13
Aは炭治郎との約束通り、鱗滝の家を訪れるたびに炭治郎の相手をしていた。
その頻度は3〜4ヶ月と頻繁ではなかったが彼女は定期的に通っていた。
今日は前回から4ヶ月ぶりにAが炭治郎のもとへやってきた日だった。
そして、炭治郎が鱗滝のもとで修行を始めてからまもなく2年を過ぎようとしていた。
炭治郎はAが自分の面倒を見てくれるのを不思議に思い、短い休憩の間にその理由を聞いてみた。
「なぁA。稽古つけてくれてすごくありがたいんだけどさ、なんでそんなに良くしてくれるんだ?」
その問いに彼女は
「炭治郎と禰豆子に期待してるんだよっ
この世の中には鬼になりたくもないのにそうなってしまって、人を食べることでしか生きる事が出来なくなってしまった人達がいる。
でも、鬼に家族や友達、恋人を喰われ大切な人を失った人もいる。悲しみの連鎖なのよね、ずーっと、ぐるぐるぐるぐる繰り返してる。
炭治郎達なら何かを成し遂げられそうな気がして。鬼なのに人を襲わない禰豆子も妹を信じる炭治郎も他とは違う感じがするんだよ。
根拠もなくてごめんね、勝手に期待してしまってるけど重く受け止めないでね、炭治郎は炭治郎の目的に向かって進んでいけばいいんだよ」
そう言って悲しそうに笑った。
(この笑い方、匂い…あの時だ、母さんやみんなの埋葬を手伝ってくれた時と同じだ。きっとAも大切な人が…)
「Aも、その、…誰かを奪われたのか?」
「うん、母、父、私、姉2人で暮らしてたんだけど、両親は鬼に殺され、姉2人は鬼になった。
鬼になった姉に襲われそうになった私を鱗滝さんと義勇さんが助けてくれたんだよ。
1人は何とか殺せたんだけど、もう1人には逃げられた。私はその逃げた鬼と両親を殺した鬼を絶対殺すって決めたの。だから鬼殺隊に入った。」
Aはそう話すと、腰かけていた岩からよいしょっと声を出して立ち上がり腕をあげ伸びをする。
横に座っていた炭治郎は彼女を見上げるようにして言った。
「Aの家族も鬼に…。そうか、だから前に鱗滝さんを命の恩人って言ってたんだな。
たとえ鬼になってしまってもお姉さんを倒さなきゃいけないのは辛いな、」
「いいんだよ、あいつは。裏切り者だから。私達を裏切って、あいつが家族を殺したんだから。」
彼女の言葉に空気がピリッとするのを炭治郎は感じた。
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お茶犬(プロフ) - るんるさん» はじめまして。全然気づいていませんでした、教えて頂きありがとうございます!修正しました!褒めて頂けてとても嬉しいです!!頑張ります!またお時間ある時にでもお話読みにきてください(*´-`) (2020年11月4日 19時) (レス) id: 72156f6cb2 (このIDを非表示/違反報告)
るんる(プロフ) - すみません。炭治郎の字が違います,,,お話めちゃめちゃ面白いです!頑張ってください! (2020年11月3日 23時) (レス) id: 89ac41ad4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶犬 | 作成日時:2020年10月22日 23時