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No.10_店員 ページ11

___ガラガラ


『いらっしゃいませー!』


次の日 連れて来られたのは、喫茶店“あんていく”。

店員さんの声に気圧されて ウタさんの後ろに隠れる。



?「四方さん!ウタさん!!久しぶりです!」


?「珍しいですね…二人そろって…」



飛び抜けた明るい笑顔を見せる男の人と、

不思議そうに首を傾げた女の人。


どちらもここの店員さんらしい。





___十三年ぶりに外の世界に出た。


半喰種になってからは ママが人間界で生きていく術を教えてくれたけど、

初めてで緊張と不安が走る。




久しぶりの外の世界が珍しくて。

目を輝かせながら周りを見物していた。



すると、先程の店員二人が目の前に立ちふさがる。



カネキ「初めまして、Aちゃん。

僕は 金木研。よろしくね。」


いきなり現れて、頼んでもない自己紹介を勝手に始める店員A。

よろしく、の代わりに冷たい視線を投げかけてやった。


トーカ「私は 霧嶋トーカ。よろしく。」


優しそうに微笑む店員B。

このお方にも相応の態度を取ってやろう。



すると これまた優しそうなおじさんが現れ、ニコニコと私を見つめる。

その目が私にも自己紹介を促しているようで。




「初めまして…。城ヶ崎Aです。」


おずおずと自己紹介をする。



店長「いらっしゃい、Aちゃん。

わたしは ここの店長だ。ゆっくりしていってね」


三方向から差し伸べられた手。

私は、それぞれに小さく握手をした。







ウタ「A、おいで。」


手招きするウタさんと静かに座る四方さんのテーブルへと急ぐ。


私は、わかる。


店員Bと店長さんが喰種である事を。

そして おそらく店員Aは私と同じ種類であろう事を。

それと多分……ここの店員と数名の客は喰種。


においで 察しがつく。





四方「コーヒーで。三杯。」


カネキ「かしこまりました。」

店員Aが笑顔で走り去って行くのを見届けて、テーブルに突っ伏す。



ウタ「体調は、大丈夫?」

私は 首を縦に振った。


四方「久しぶりで 疲れたんだろ?」

これにもまた、首を縦に振る。



私は、喰種も人も……ましてや喰種捜査官は嫌いだ。

良い人たちも居るって頭の中では分かってるけど、

ウタさんと四方さん以外、信じるつもりは さらさら無い。




____コトン



湯気をたてたティーカップが目の前に置かれる。






「あ…りがとう。」




私の言葉を聞いて、嬉しそうに微笑む店員A。

私は訝しげに彼を見た。

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ルイ - 続きが気になりますーー!! 更新頑張ってください! (2017年4月5日 23時) (レス) id: 53cd8612df (このIDを非表示/違反報告)
6月ラビット - すごく続きが気になります!更新まってます (2016年10月19日 15時) (レス) id: 2667482819 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:eve | 作成日時:2016年1月16日 23時

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