【降谷零】お兄ちゃんって呼ばないで【名探偵コナン】

Siblings：02 ページ3

焼鮭、だし巻き卵
それからサラダに金平牛蒡

ご飯には梅干しをトッピングし
海苔を小皿に添える


後は味噌汁を粧えばヘルシーな朝食の出来上がり



「いい匂いだな」

「ひゃっ、お兄ちゃん」



鍋から味噌汁をおたまで掬っていると

いつの間にか背後に立っていた兄にするりと腰に腕を回され、つい変な声を上げてしまった



そんな妹を一瞥して
私の首筋に顔を埋めて頬摺りする




「ん…くすぐったいよ」



兄特有のサラサラな金糸の髪が首元を擽るので

少し頭を擡げてみせれば、逃がすまいと彼は抱き締める腕に少し力を込めた




「…どうしたの」

「充電させて」



ぎゅーっと子供みたいに抱きつかれ
どっちが上なんだか…なんて生意気にも思いながら私の腹で交差する兄の拳をゆっくり撫でる


そしたら満足したのか耳元から
ふ、と笑う声が微かに聞こえて漸く解放してくれた




「これ運べばいい？」

「うん、お願い」




注ぎ終えたお椀を手に
食卓まで運んでくれるお兄ちゃん




それから席について「いただきます」と
手を合わせれば和やかな朝食が始まる




「ん、美味い」

「そう？零にぃの作る方が、豪勢で美味しいと思うけど」

「見掛けはな。けどお前のはこう…お袋の味って感じがして、好きだ」



目を細めて柔らかく微笑む彼に
ドクンと鼓動が跳ねる


その「好きだ」にどんな感情が隠れているのか
ついつい探してしまうのは私の嫌なクセ



だからそれを悟られないよう
「何それ」と素っ気ない言葉だけ返した





「A」

「ん？」



朝食を食べてから食器を片付けて衣替え


それも終えれば兄が
ちょいちょい、と居間から手招きする



とてて、と足早に近付くと
蕩けた飴玉みたいに甘えた声で催促された



「結んで？」

「…はいはい」



少し屈んで指差すのは、未だ帯状である彼のネクタイ

1人でも結べるのに
稀にこうして良く分からないおねだりをしてくるのだ


そしてこんな時は
いつも決まって別の要求も追加される



「Aのも、貸して」

「私は自分で＿」

「だめ。俺も結ぶ」



…拒否権無しですか


仕方ないと私も顔を上げて首元を晒す

そしたらさっき結んだばかりの制服のネクタイが
しゅるりと解かれた



「ほんと真っ白だな」

「…あんまり見ないで」



少しだけはだけた胸元へ視線が注がれ
若干の羞恥を覚える程度には慣れきれないこの習慣


別に兄妹だから平気、なんて強がっている内に
チクっと鎖骨辺りに小さな痛みが走る

Siblings：03→←Siblings：01

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す