【降谷零】お兄ちゃんって呼ばないで【名探偵コナン】

Siblings：14 ページ15

「ぃッ…」


ツキリとした痛みが首筋に走る

思わず腰を浮かせてしまうが
兄は満足そうに目を細めるだけだった



「ここ、もう薄れてきてる」

「ふ、ぇ…？」

「俺の付けた跡」



そう言って第3ボタンまで外された制服のシャツを開き
つい先日、兄によって鎖骨へ付けられたキスマークをグリッと指の腹で押される


痛みを伴わないのに
どうしてか心臓まで突き刺されたような気持ちになる



「上書きしないとな」

「ゃ…跡、残っちゃう…」

「だからするんだろ？」



「一生消えなきゃいいのに」と何処か暗い表情で同じ場所を吸われ、チクリとする感触がむず痒くてお兄ちゃんの頭を抑えた


そしたら妖しく光る瞳が私を写し
「もっと欲しいのか？」と見当違いな台詞を宣う



「ちがっ…何か、変な感じするから」

「へぇ、どんな風に？」

「…知らない」

「悪い子だ」



的確な単語が見つからず、困惑気味に視線を逸らすと
楽しそうに笑う兄がペロリと紅に染まる花を喰んだ


そして彼の唇が徐々に下へ降りて行き
丁度下着まで到達すると、そこの紐を噛んで引っ張る





「これ、取っちゃうか」

「！だめッ」



何てこと言い出すの、この人は


耳を疑う言葉に意識が一気に引き戻され
ぐいっと兄の硬い胸板を押す

すると少しだけ複雑そうな表情を作り
「冗談だ」とあっさり顔を離してくれた


暫し落ち着いた素振りを見せる兄へ
胸内に溜まった疑問を投げかけてみる




「なんでそんなに怒ってるの」

「Aが反抗するからだろう」

「でもっこんな…私達、兄妹だよね？」




異性と多く接する仕事を良しとする風潮は確かに未だ少ないが、だからといって決してこれは "兄" が "妹" に対して然るべき行いでもない


法に携わる人間なら尚更だ




___それなのに





「どうして…」

「知ってる癖に」



兄妹と呼ぶには深い繋がりを持ってしまった

けれど一線は超えていないからこそ
僅かに残る理性的な関係に縋り付く


元へ戻るには遅過ぎるのに
まだ私達は大丈夫だと愚かにも信じてる



だから、これはただの悪あがき




「…わかんない、よ」



いっそ全て曝け出してやろうかと

見透すようにギラギラ危うい眼光を放つ兄に
敢えて私はシラを切る



微かな恐れが見え隠れしてるのに
それさえ厭わない彼の様にはなれないから



弱虫な私は、前へ進むのが怖いんだ





「そう、か…」



私の答えを汲み取ってくれたのか
お兄ちゃんは苦しそうに笑って、私の頬を撫でた

Siblings：15→←Siblings：13

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す