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「懐かしいねぇ・・・。」
井浦さんの声で思考を現実に戻す。
『あの時は、ありがとうございました。…社長。』
「・・君にそう呼ばれるのも懐かしいねぇ」
そう、あの当時私にチャンスを与えて下さったのは
紛れもなく今目の前にいる井浦さんだった。
彼と別れてから半月後、私はアメリカへ旅立った。
オファーをくれた空間デザイナーのマーラはとにかくストイックで、いつでも、どこでも常にアンテナを張り巡らせてる人だった。
厳しい人だったがその分学ぶことも多く。
今このギャラリーを開くに至ったのも
彼女の影響だった。
彼女は、若いアーティスト達に自分の空間を貸して
彼らの作品を世に送っていた。
そうすることで、世界にはどんどん新たな作品、作風が生まれ、そこからどんどん新しいことが生まれて行った。
彼女のやっていることに感銘を受け
日本にそれを持ち帰った。
もちろん、空間デザインの仕事も続いていて
今では、自分のオフィスも構えている。
『こっちに帰ってきてからも社長にはお世話になりましたから。』
そう。日本に帰ってきてからまず連絡を取ったのは
井浦社長だった。
結局海外から帰ってきたのは3年後だった。
帰国後、社長はまた会社に戻ってこれるように誘ってくれたが。
自分の実現させたいことを話すと独立を手伝ってくれた。
今では、私がギャラリーを開く度に新しいアーティストを発掘しては自社で作品を取り扱ってくれるお得意様へと変わっていき。
私も社長のことを井浦さんと呼ぶようになった。
彼とのことは、当時から薄々気づいていたらしい。ちゃんと話をしたのは、帰国後だった。
それ以来、井浦様は、より一層父親のように私を…それから彼のことを見守ってくれている。
「彼は、帰ってきてることを知ってるのかい?」
『いえ、連絡も取っていませんでし。知らないかと。』
「…そうか。君から連絡してみたらいいんじゃないかい??」
井浦様は、どこか楽しげに聞いてくるが…
この5年連絡を取っていなかったのだ
それに、応援はしてくれたが自分勝手に決めた手前どうしても自分から連絡を取ることができなかった…。
『…できませんよ。もう5年になりますし。彼にはもう別の人が居るかもしれない。』
「誰かから聞いたのかい??」
『いえ、週刊誌に出てたくらいで真相は分かりません。』
そう。先日たまたま見た週刊誌に年上女性とのデート記事が書いてあった。
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ESORA(プロフ) - マカロンさん» 返事が遅くなり申し訳ありません。すごく嬉しかったです!!一応来年の11月末まで続けるつもりだったので、もしよかったらこれかも見ていただけると嬉しいです。宜しくお願い致します。 (2018年12月16日 15時) (レス) id: 44dad9860d (このIDを非表示/違反報告)
マカロン(プロフ) - ESORAさん» すみません…夏とか勝手な事を…f(^_^;人には人のペースがありますよね!あまりにも作品が良すぎて、調子に乗って言ってるだけなので負担にならないといいのですが…。 体に気をつけてマイペースに活動を楽しんで下さい♪ (2018年12月8日 2時) (携帯から) (レス) id: d90a572a32 (このIDを非表示/違反報告)
ESORA(プロフ) - マカロンさん» コメントありがとうございます。夏の花までいけるように毎日少しずつではありますが更新したいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。 (2018年12月8日 2時) (レス) id: 44dad9860d (このIDを非表示/違反報告)
マカロン(プロフ) - こんばんは。素敵なお話ですね!私はお花も好きですし、ランペファンなのでより嬉しいです!夏の花言葉ストーリーも楽しみにしています^▽^無理をせずに頑張って下さい♪応援してます! (2018年12月7日 22時) (携帯から) (レス) id: d90a572a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ESORA | 作成日時:2018年12月1日 22時