最期に君の声が聴けたなら。

【残り44週間】another story ページ16

-莉犬 side-

たまたま前を見ると君がいた。大好きな君がいた。

おもわず声をかけると君は昔から変わらない笑顔で俺の名前を呼んでくれた。


Aは俺の初恋の人。で今もまだ好きなんだ。


莉犬「青野先輩とはうまくやってるの？」


なんて。うまくいってないでと願いながら聞くと


A「うん！二か月前ディズニーランドで三周年むかえたんだ！」


悲しいなぁ・・・高校生になるまではAは異性なら俺としか話さなかった。

俺はAの話を聞きながら昔のAのことを思い出していた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『気持ち悪いです。今後近寄らないで』


こわぁぁ。俺あんなこと言われたら萎えちゃうよ。死んじゃうよ。

俺の幼馴染はかっこいいし面倒見いいし笑顔が可愛い。だから男女ともにモテていた。今もAの告白現場。
でも幼馴染が誰とも付き合わない理由。それは「極度の男嫌い」

多分お父さんが出ていったことが関係してるんだろうなぁ。


A「莉犬？何でここにいるの？聞いてた？」

莉犬「ふぁ！A！うん。聞いてた...」


いや〜そりゃ断るのはわかってても好きな人が告白されるんなら気になるよね...
　

A「ほんと男は意味わからない。気持ち悪いわ。」

莉犬「それ男の俺に言う？傷ついちゃうなぁ〜」

A「莉犬は特別！絶対莉犬は人を見捨てないって知ってるもん！だから私は莉犬だけで十分！」


なんてドキっとすることばっかり言う。俺の事恋愛対象で見てくれる日はいつくるんだろう。


「莉犬って東条さんと話せて羨ましい。」「莉犬って東条さんと付き合ってんの？」

この言葉は何度言われただろうか。
言われるたび優越感に浸り、もどかしくなった。
　

A「陸上で有名な高校に行きたい。」
　

と中三の7月くらいに俺の家で言われた。


莉犬「どこ？」

A「湊川高校」

莉犬「俺も行く」

A「そう言ってくれると思った！」


正直学力が全然及ばないところなんだけど。

俺はAが心配だから頑張ろうって思えたし好きな人と同じ高校に行きたいし。



そして俺はぎりぎり湊川高校に入ることができ、Aは陸上部、俺は演劇部に入った。


莉犬「わぁ、演劇部の部室からグラウンドが見える！」


グラウンドを見るとAは重そうな荷物を運んでいた。


でもその隣にもう一つ影があった。

　

莉犬「男！？A！」


この男が今Aが付き合っている青野ころんだった。

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