その24 ページ24
走る、走る、走る。
横腹が痛い、息も苦しい、胸もズキズキする、足だって...。
足が上がらなくなってきて、つまづいては転ぶ。
上手く手をつくことすら疲れて出来ず、膝や肘から血が溢れて。
怖いという思いから、もう死んでしまっても...と一瞬頭をよぎるが、だめだ。
まだ零に会ってない。謝ってない。罪を償ってない。...好きだって、言ってない...!!
ふらふらしながらもなんとか起き上がり、立ち上がると目の前に影がさした。
まさか、見つかった...?追いつかれたの!?咄嗟に反対方向に走ろうとすると、
「待て」
静かな、男の人の声が聞こえた。
...組織の人間ではない。
振り返って、月明かりに照らされるその顔を見ると、見覚えのない男性。けれどどこか見たことのあるような...。
「...私、立ち止まってられないの。それじゃ...」
「おい、待てって言ってるだろう。盗聴器で話は聞かせてもらった。」
「...盗聴器?話?どういう...」
「どうする、逃げたいんだろ?行きたいんだろう?...助けてやっても良い」
なんだ?何この人?なんで知らない人がこんな、
そこまで考えて、その鋭く刺すような視線にハッとした。
「あなた、こないだポアロにいた...ハイネックの!?」
見た目なんて全然違うのに、見覚えのある視線だけでそう口走っていた。その視線は静かに「答えろ」と言っているようで。
「...私、やりたいことがある...逃げたい、お願い、たすけて!!」
必死に、男に向かってそう言った。
もしかしたら騙されているのかもしれないけど。それでも...掴んだものが藁だったとしても、私はもがいて生きたいと思った。
「...良い目だな。来い、まだ走れるな?」
「!う、うん!」
男は私の腕を掴んで走り出した。そのスピードに置いていかれそうになるが必死に両足を動かした。
そして薄暗く人通りのない住宅街、停めてある車の助手席を開くと私を押し込み、彼は運転席に移動してすぐさま発進させた。
初めこそ荒々しい運転だったが、ミラーを確認し、誰にも付けられていないことを知ると安全運転に切り替わった。
「あの、あなた、」
「詳しい話は着いてからだ。俺にも、外では話せない理由がある。」
「わ、わかった」
そうしてついた場所は、米花町の一角。
「大きい家...あなた、工藤さんっていうの?」
そう声をかけながら男の背を追いかけて、家に入る。
「違う。俺の名前は、赤井秀一。FBIで、お前のいた組織を張っていた。」
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れい(プロフ) - 復元してくださりありがとうございます!! 此れからの更新も待ってますね (2019年2月23日 21時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - れいさん» お早いコメントありがとうございます!!なんとかかんとか復元ができましたのでまた続編のほうで続きを書きます…!ありがとうございます(;ω;) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - キャバ嬢 書きましょう!! (2019年2月23日 17時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 陽香さん» ひええありがとうございます…!もっと更新できるように頑張ります!! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - ののいろ系女子さん» 最近降谷さんが出てきてませんがそろそろ出てきますので…!よろしくお願いします! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリス | 作成日時:2018年6月8日 9時