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その15 ページ15

「やだ」
「...おい、ワガママ言うな」
「や!だ!」

いつもの倉庫で、Aと対峙する。そして私は頑なに拒否をしていた。

「元を辿ればバーボンに時間かけ過ぎなんだテメーは!」
「だからって私のポリシー知ってるでしょ!?ハニトラは同時に1人にしかしない!!」

Aに久し振りに呼び出されたと思ったらお仕事の話だった。ハニトラしろと。けれど私は同時に2人に、なんてことはしたくない、そんなの良くない、浮気だ!!

「なぁーにが浮気だ!どうせ裏切るんだろが!浮気よりヒデェことしてんのによ!」
「やーだーやらないからね!!」
「ほらよ、これ詳細が書かれた紙な。読んだら跡形なく消せよ」
「ちょっと!」
「断ってもいいけどよぉ、」

ボスはなんて言うだろうな?

その言葉に、渋々紙を受け取ると満足そうにAは頷いた。あほ!ばーかばーか!!
さっさと家に帰って書類を眺める。まぁ、今回は米花町から離れた場所だし...大丈夫だろう。
1週間後の火曜、この日だけ私は透の恋人ではなくなる。やるからには成功させなきゃ!!







当日。
私は何も知らない普通のお金持ちの女の子、という振りをする。きょろきょろ所在なさげに会場を見回しながら歩いて、ターゲットのちょうどむこうにある食べ物を頑張って腕を伸ばして取ろうとする。
こうすれば、ワインをかけるなんてベタベタな方法を取らなくてもターゲットの視界に必ず入るのだ。

「おっと、失礼、美しいお嬢さん」

ほらね。
ターゲットの瞳に映ってしまえばこちらのもの。

「あ、ご、ごめんなさい...恥ずかしい...」
「はは、お腹がすいてたんだろう?恥ずかしがることはないよ...あぁ、君さえよければ、もっと美味しいものがあるんだが...」

はい、釣れたー!
わぁいと無邪気に喜ぶと、男は私の肩を強く抱いて歩き出す。会場の上にあるホテルの部屋に行くのだろう。欲丸出しの男ってほんとやりやすい。

今回も余裕ー!なんてにこにこ笑っていると、視線を感じた。
なんとなしにそちらを見ると、

「!!!」

透!?なんでここに!?
とはまさか声に出せず、ただただお互い驚愕の表情で見つめ合う。

「お嬢さん?」
「!なんですか?」
「いえ、急に歩くのがゆっくりになったので...」
「あっ、ごめんなさい、少しだけ酔ってしまったみたいで〜...」

やばいやばい、やるからには成功させなきゃと咄嗟に取り繕う。
すると、それはいけない、と肩をさらに強く抱かれた。

見なくてもわかる、透が怒ってる。

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れい(プロフ) - 復元してくださりありがとうございます!! 此れからの更新も待ってますね (2019年2月23日 21時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - れいさん» お早いコメントありがとうございます!!なんとかかんとか復元ができましたのでまた続編のほうで続きを書きます…!ありがとうございます(;ω;) (2019年2月23日 17時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - キャバ嬢 書きましょう!! (2019年2月23日 17時) (レス) id: 541088bf06 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - 陽香さん» ひええありがとうございます…!もっと更新できるように頑張ります!! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)
エリス(プロフ) - ののいろ系女子さん» 最近降谷さんが出てきてませんがそろそろ出てきますので…!よろしくお願いします! (2019年2月20日 22時) (レス) id: 865c783a94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エリス | 作成日時:2018年6月8日 9時

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