･･:*:･Chandelier それぞれの愛し方 8･･:*:･ (ページ35)

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385) 何もわかっていなかった2 (YN side) ページ35

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ドンヘ「身辺整理して姿を隠すって事は、それなりの理由があるんだろう？本気で行き先に心当たりは無いのか？兄弟なんだから、友達とか思い出の場所くらいはわかるだろ？」

ドンヘに言われてハッとした。

俺は本当に兄貴の事を何も知らない。

友人も、交遊関係も、兄貴の好きなものさえも。

子供の頃から兄貴は親に与えられたものを文句も言わずに使っていたから。

ユノ「俺は本当に兄貴の事をわかってなかったんだな…」

子供の頃からずっと兄貴に嫉妬していたけれど、与えられていたのは愛情じゃない。ただの不自由だ。

ユノ「ドンヘ。俺はしばらく兄貴探しに注力する。協力してくれるか？」

俺は翌日から、明け方に出勤してすべての案件に目を通し、出勤してきた部下に顔を見せて業務を指示してから外出するという事を繰り返した。

自分も会社に来なくなったら余計に混乱する。

会社では何事も無かったかのように装った。

親父は親父でプロの探偵を雇い秘密裏に探しているらしいが、まだ何も見つけていないらしい。

ドンヘのツテで警察や病院には網を張っている。兄貴らしい人物が来たら直ぐに連絡が来るように。

俺は俺で、兄貴の大学時代の友人に会ったり
世話になった恩師に会いに行ったりして兄貴の消息を追った。

けれど、

「最近はずっとご無沙汰なんだ。ジニョクは元気が？」

皆が口を揃えてそう言っていた。

嘘をついているようには見えなかった。

ソヨン以外の恋人のはなしは聞いたことがない。学生時代もずっとソヨンは俺達兄弟と行動を共にしていたし、兄貴が他の誰かと付き合うなんて事になれば、周りが黙っている筈がない。

恋人がいる可能性は薄い。

友人も俺が知る限りの人には会いに行った。

兄貴は誰にも頼らずひとりで行動しているのか？

1週間もすると俺は完全に行き詰まってしまった。

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