･･:*:･Chandelier それぞれの愛し方 8･･:*:･ (ページ25)

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375)専務部屋1 (YN side) ページ25

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Aにまた寂しい思いをさせてしまった。

Aをタクシーで送り出し、自分も別のタクシーを拾って会社に向かう。

ずっと振動していたスマホの着信を見ると、兄貴の秘書と社長からのものが沢山あった。

兄貴の失踪が父親の耳に入ったのだと直ぐにわかった。

ユノ【キム秘書、電話もらっていてすいません。何か大変な事でも…】

キム【チョン部長、社長が専務のお部屋にいらっしゃって、部屋中お調べに… どうすればよいのか…】

ユノ【わかりました。直ぐに会社に向かいます。キム秘書申し訳ありません。私が行くまで親父…いえ、社長をひき止めていてもらえますか？】

※

※

もう夜だと言うのに会社の明かりは煌々としている。社長が帰宅しないから皆帰れないんだろう。

正面玄関でタクシーを降りると、役員専用のエレベーターに滑り込む。最上階までいつよもり時間がかかるように思えた。

扉が開ききらないうちに、すり抜けるようにエレベーターを降りると、専務の部屋に向かう。

秘書「チョン部長！」

部屋に入るなり、事の成り行きを見守る兄貴の秘書が駆け寄ってきた。

秘書「申し訳ございません…お止めする事も出来なくて…」

秘書の視線の先では、ソファにどっかりと腰掛けた社長と、兄貴の机の引き出しをこじ開け、中のものを確認している親父の秘書兼ボディーガードたち。

その有り様はまるで泥棒に入られた後のようだった。

ユノ「何をしているんです！！？」

怒りをはらんだ俺の声に秘書たちは一旦手を止めたが、社長の続けろという言葉にまた荷物をぶちまけていく。

ユノ「社長、いったいこれは何の真似ですか？専務に断ってやってる訳じゃないですよね？」

社長、いや親父に詰め寄ると、親父は首だけを動かして怒りを隠さない目で俺を睨んだ。

社長「勝手に婚約破棄したと思ったら、次は失踪だと？俺に何の断りもなく、勝手に財閥絡みの仕事をどんどん縮小させていやがった。あいつは何を考えているんだ？まさかユンホ、お前もグルじゃないだろうな？」

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