306) ほんの少しの胸騒ぎ2（You side) ページ6
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いつもご馳走になってばかりだし、今日くらいは武の姉としてみんなにちゃんとお礼しなきゃと思って、榊さんご贔屓のこのお店を選んだ。
奥さまが日本人で意気投合したのもあるけれど、韓国料理も日本料理も食べられる上にお値段リーズナブル。
チャンミンが思いきり食べても大丈夫な筈だから。
久しぶりに会ったドンヘさんは相変わらずのムードメーカーで、初対面の二人とも直ぐに打ち解けた。
ドンヘさんの底抜けの明るさは、いつも場を和ませてくれる。
でも
A「ドンヘさんは飲まないんですか？」
お酒が大好きだった筈のドンヘさんが、乾杯からお茶を飲んでいたから。
ドンヘ「あー…今、医者に止められててさ。」
A「お医者さんに？どうかしたんですか？どこか体調でも…」
ドンヘ「やー、普段から飲みすぎでさ。休肝日を設けろって言われてるだけだから。気にしないで皆は飲んでよ。」
笑いながらもを動揺したドンヘさんを見て、胸騒ぎがした。
ドンヘ「それにしてもユノの奴遅いな。」
時計を見ると、約束した時間からから40分が過ぎている。
チャンミン「ヌナ。電話してみたら？もしかしたらここの場所がわかりづらいのかもしれない。」
A「そうだね。ちょっと電話してくる。」
スマホを持って席を立った。
確かに細い路地を入って行った中の雑居ビルだし、大きな看板を出している訳じゃないから、初めて来る人はわかりづらいかもしれない。
エレベーターで1階に降りビルの外に出て、ユノの電話番号をタップする。
pull pul pull …
pull pul pull …
何度かコールしてもユノは電話に出なくて。
諦めて店に戻ろうとした時
「やぁ〜お姉さん彼氏にフラレたのかぁ？俺たちと一緒に飲もうよぉー」
武くらいの年代の酔っぱらいたちに絡まれてしまった。
A「いえ…連れがいるから。」
目を合わせないようにしてビルの中に戻ろうと踵を返す。
逃げられたと思った瞬間、後ろから肩を掴まれた。
「そんな事言わずにさぁ〜！俺たちといた方が楽しいよぉ〜」
A「ちょ…離して！」
思いがけずしつこくされてどうやって逃げようかと困っていると
《イテテテッ！！なんだよお前》
酔っぱらいの奥には今まで見たこともない怖い顔をしたユノがいた。
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作者名：mari
| 作成日時：2019年5月16日 0時
