323) 頼りのドンヘ2（YＮ side) ページ23
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ドンヘ「で、お前どうする気だ？ソヨンの目がAちゃんに向いたとあっちゃあ、大問題だぞ？」
ユノ「まずは兄貴と話してみる。婚約の件もどうなったのか聞いてないし。婚約式をきちんとすればソヨンも落ち着くかも。」
ドンヘ「そんな簡単な話じゃないと思うがな。要はあの女はお前たち兄弟どちらも失いたくないんだろ？会社も会社の金も。」
ユノ「…」
ドンヘ「とにかく。Aちゃんに危害が加わらないよう細心の注意を払え。俺はこの調査会社を調べてみるよ。どこかで聞いたことがあるような気がするんだ。あーこの写真、一枚借りるな。」
急にギビキビと動き出したドンヘが部屋を出ていって、残された写真を見直した。
よく考えてみたら、どうしてキム・ジェジュンは変装までしてAの会社の車を運転しているんだろう。
偶然そうなったとは考えにくい。
Aを乗せるためにわざわざ変装した？
なんのために？
ユノ「…だめだ。」
二度と疑わないと約束をしたじゃないか。
キム・ジェジュンがAをどう思っていようと、Aにその気がなければいい事だ。
俺は写真と報告書を机の引き出しに入れて鍵をかけた。
その足で役員専用のエレベーターに乗り込み、上の階にある専務室に向かった。
この時間なら兄貴も出社している筈。
ソヨンとどうなっているのか、はっきりと確かめたかった。
専務室に入ると、数人の秘書達がなにやら慌てた様子でざわついていた。
ユノ「何かありましたか？」
秘書「チョン部長！おはようございます！専務と連絡が取れなくて困っておりまして。今日は昼から大事な会食がありまして…」
ユノ「家にもいないのか？」
秘書「はい。いつもの時間にお宅を出られたとのことですが、会社には来ておりません。電話も繋がらなくて…」
自分のスマホから兄貴のプライベートの番号にかけてみても、直ぐに留守電になってしまって繋がらなかった。
秘書「今日は社長と共に、お取引先様との会食が入っています。例のリコール騒ぎのお詫びも兼ねての会食ですので、穴をあけるわけには…」
ユノ「もしもそれまでに兄貴が捕まらなかったら、私が代理で行きますから。相手の事、教えてもらえますか？」
度々起こっていた兄貴の失踪が、本格的な失踪になるなんてこの時は夢にも思わなかったんだ。
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作者名：mari
| 作成日時：2019年5月16日 0時
