320) 心地よい朝（You side) ページ20
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10年間誰にも言えなかったこと。
それはきっと犯罪で、話してしまったら家族に迷惑をかけてしまう。
それに…風の噂で亡くなったと聞いた友達の事も…誰にも聞けないでいた。
恐くて…
《焦らなくていいよ。全て俺に吐き出して？10年間ひとりで抱えてきたんだ。吐き出して楽になれば、きっとまた描けるようになる。今度はAの夢を俺に応援させて？》
ユノの体温が私を安心させた。
ユノに話してよかった。
10年間の肩の重荷がすっと軽くなったような気がして。
A「ユノ…ありがとう。武の事も心配かけちゃってごめんね。」
ユノ「いいんだよ。武くんも俺の大事な弟なんだから。弟が出来て俺も嬉しい。」
カーテンの間から差し込む光がだんだんと強くなる。
結局夜通し話をしていた私達は
そのまま朝を迎えてしまった。
でも、心地よい朝。
彼を愛してる。
彼に愛されている。そう実感した朝だった。
ユノ「夜が明けちゃったな。寝かしてやれなくてごめん。」
A「私はお休みだからいいけど…ユノは仕事でしょう？大丈夫なの？」
ユノ「大丈夫。最高に気分はいいよ。一旦家に帰ってから会社に行く。武くんに会えないけど、宜しく伝えて？」
A「うん。」
ユノ「それと…今日でややこしい仕事を全部片付けてくる。明日からしばらく休みを取るから、ふたりでどこかに出掛けよう？」
A「ドンヘさんが紹介してくれるところ？」
ユノ「そう！あいつ、余計なこと言いやがって！」
A「うん。楽しみにしてる(笑)」
6階のベランダからユノの姿を見送った。
私に気がついて大袈裟に手を降る。白い歯が眩しかった。
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ユノが帰った後、私は朝食を作り始めた。
武とチャンミンとドンヘさんの分…
みんな結構飲んでいたから、胃腸に優しいお粥をたくさん。
まだ寝てるかもしれないし…
控えめにメールを入れると直ぐに返事は返ってきた。
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作者名：mari
| 作成日時：2019年5月16日 0時
