311) 牽制（CM side) ページ11
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武「姉ちゃん、大丈夫でしょうか…？」
ドンヘ「ああー！大丈夫。ちょっとユノのやきもちが爆発しただけだろ？」
武「やきもち？」
ドンヘ「君のお姉ちゃん、モテるから。」
そう言ってチラリと俺を見る。
なんだよ。
こっちを見るな。
ドンヘ「ユノはさ、あんな見かけだし昔からモテるけど、自分をコントロール出来なくなるくらいに人を好きになったのは、君のお姉ちゃんが初めてなんだよ。」
チャンミン「…」
ドンヘ「バカみたいに真っ直ぐで不器用な奴だけど、その気持ちは信じてやって欲しい。頼むな、武！」
武「はい！勿論です。」
ドンヘさんに釘を刺された気がするのは俺だけか？
ヌナをこれ以上好きになるなって。
武「姉ちゃんは…ああ見えて苦労してるんです。だからこの先は自分の為にもっと我が儘でいて欲しいんです。」
ドンヘ「武、姉ちゃん想いだな。」
武「俺が大学まで行けたのも、姉ちゃんのおかげなんです。本人は俺には内緒にしてるつもりですけど、毎月こっそり仕送りしていてくれたみたいです。」
ドンヘ「はぁー…その手の話に俺弱いの。ますますAちゃんを好きになりそう。」
今度は俺がドンヘさんを睨み返した。
チャンミン「だからと言って、武君が卑屈になる必要はありませんよ。そんな事はヌナも望んでいない。社会人になったなら、これから少しずつ恩返ししていけばいいんです。」
武「…はい。」
チャンミン「高城家の皆さんは本当に暖かい家族ですよ。皆が皆を思いやる。家族でもなかなか出来ることではありません。とても羨ましいですよ。」
武「チャンミンさん。ありがとうございます…」
チャンミン「なんだかんだであの二人はお互いを想いあってますから大丈夫です。もう日本出張の時だって、うっとうしいくらいにメール来てましたし。」
そうだよ。
俺が入る隙間なんて一切無いくらいに。
武「あ！ 戻ってきました。」
チョンさんに肩を抱かれて、嬉しそうにはにかむヌナを見て複雑な思いだった。
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作者名：mari
| 作成日時：2019年5月16日 0時
