242) 守ってくれる< You side> ページ42
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A「あ…ありがとう。」
そっか。
一般人の私の顔を晒さないように、皆が守ってくれてるんだ…
撮影場所に到着すると、もう既にシウォンさんが準備を終えていて、ジェジュンも撮影スタッフさんたちももうスタンバイしていた。
チャンミンは警備スタッフさんたちと真剣に話をしている。
チラッとこちらを見たけれど、直ぐにプイっと目をそらされた。
シウォン「早速始めるぞ。A、ジェジュンの左側に座って。」
言われた通りにガラスの前の席にジェジュンと横並びに座る。
ここはどこにでもあるようなカフェ。
普通の恋人たちがデートの始まりに待ち合わせをするような。
A「ジェジュン、遅くなってごめんね。」
ジェジュン「いや…ホントに…調子狂う…」
A「なんで？」
ジェジュン「お前があんまり可愛いから。」
途端に顔に火がついたように熱くなる。自分でも顔が真っ赤になったのがわかる。
慌てて顔を手のひらで覆うと
シウォン「いいぞ。そのまま自然に話をしてて。」
自然にって言われても！
カシャカシャ…
シウォンさんのカメラの音が私たちの後ろから聞こえる。
今さらだけどメチャクチャ緊張してきた！
ジェジュン「肩に力が入ってる。」
ジェジュンの手が私の肩に触れる。
A「そりゃ…だって緊張するよ！こんなこと初めてだし！ただでさえ写真苦手なのに…」
ジェジュン「プロのカメラマンにタダで写真撮って貰ってラッキー！くらいに思ってればいいんだよ。」
カシャカシャッ…
シャッターの音は鳴りやまない。
シウォン「おい。聞こえてるぞ！言っとくが俺のギャラはお前に払える額じゃないからな」
ジェジュンもシウォンさんも、私の緊張をほぐそうとしてくれているのがわかる。
まわりのスタッフさん達も大笑い。
いつの間にか肩の力が抜けていた。
ジェジュン「こんな風に、堂々と待ち合わせしたこと無かったな。いつも俺の部屋で待たせてばかりだった。」
ジェジュンが小声でつぶやいた。
A「それなのに、帰ってこなかった事もあったよね？」
ジェジュン「う…すいません…」
突然背筋を伸ばして頭を下げた。
周りから見たら、ふざけてるようにしか見えないだろうな。
A「あの時は理解のある彼女のフリをしてたから。私」
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作者名：mari
| 作成日時：2018年7月7日 0時
