227)直接対決2<YN side> ページ27
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ユノ「先生、ありがとうございました。本当に3万の価値しか無かったんですか？」
鑑定士「いいえ。あの絵が贋作なのは確かですが、3万というのはちょっと…(笑)ただ贋作とはいえ、大事にしない方に所有されている絵が可哀想になりまして…」
ユノ「そうでしたか(笑)」
鑑定士「あの絵は私が相応の額で買い取らせて頂いても？絵を大事にしてくれる方にお譲りしたいと思っています。」
ユノ「はい。お任せします。」
おばさんの雇用条件は酷いものだった。
きちんとした契約書も取り交わされていないし、退職金も期待できないから新しい就職先も探さないといけない。
「チョンさん…あの…」
ユノ「おばさん、強引に進めてしまってすいません。新しい就職先はきちんとしたところを準備しますから心配は…」
「いいえ。そこまで迷惑はかけられません。息子の不祥事を不問にしていただいただけでも十分にありがたいのに。あなたのような方は私たちのようなものにはこれ以上は関わってはいけません。」
ユノ「おばさん…」
「どんな理由があれ息子が罪を犯した事に違いはありません。何年かかっても親子で償っていきます。チョンさん、本当にありがとうございました。」
ユノ「…」
おばさんを自宅まで送っていった。
お世辞にも清潔とは言えないような古いアパート、ソウルの中でも治安の悪い地域で。
ユノ「おばさん…やっぱり…」
「私たちは大丈夫です。いつかあなたの前に息子と二人で堂々と会いに行けるように、頑張って生きていきます。」
おばさんの清々しい顔に強い意思を感じて。
それ以上は何も言えなかった。
待たせていたタクシーに乗り込んで、来た道を戻る。
ユンもこれ以上は下手な事はしないだろう。
本当は警察に突きだしてやりたいが、おばさんやドンヘの気持ちを考えるとそれも出来なかった。
A…
頑張ってるかな…
A《早く終わらせて、直ぐに帰るからね》
ユノ《あぁ…待ってるよ。あいつは…》
A《…彼はプロだから。撮影中にプライベートの話はあまりしないよ。》
ユノ《ごめん…変な事言って…待ってるから…早く帰って来い。》
すれ違いばかりで、せっかく繋がった電話も不安が先にたってしまう。
今すぐ会いたい。
会って抱き締めたいのに。
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228)待ち伏せ<You side>→←226)直接対決1<YN side>
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作者名：mari
| 作成日時：2018年7月7日 0時
