212)身代わり<YN side> ページ12
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ドンヘ「まぁ、良かったよ。お前、ソヨンに囚われすぎて、一生恋愛が出来ないかもって本気で心配していたから。」
ユノ「ドンヘ…ありがとな…」
ドンヘ「Aちゃん、ほんといい子だよな。俺のほうが先に会ってたら…くそー！」
ユノ「…お前、殴られたいか？」
お互いお腹も満たされて、ほんのり酔っぱらって、そろそろいい時間になって帰ろうかと財布を出そうとしていた時、
ドンヘ「ユノっ！！」
目の前に立っていたドンヘが急に大声をあげて俺に覆い被さった。
ユノ「え？」
何が起こったのかもわからず、脱力して崩れていくドンヘを支える。
キャーッ！！
店内に響く隣の女性客の声に驚いて振り向くと、そこにはナイフを持っている若い男が立ちすくんでいた。
ドンヘ「ユノ…逃げろ…」
ドンヘを支える自分の腕が、生温かい感触がする。よく見ると自分の手のひらが真っ赤に染まっていた。
ユノ「！！！」
瞬時に状況を理解した。
ドンヘを静かにその場に横たわらせると、男のほうに向かう。
ユノ「お前…何のつもりだ？」
男「く、来るなっ！」
持っていたナイフを振り回して俺を威嚇する。
武道の心得があるようにも見えない。本当に隙だらけだ。
次第に間を詰めて行くと男もどんどん後ずさり、とうとう壁際まで追い詰めた。
他の客は遠巻きに事態を見守っている。
ユノ「ナイフをよこせ。」
男「う…うるさい！来るなっ！！」
追い詰められた男がナイフを振り上げた時、すかさず男の腕を掴んで投げ飛ばした。
男は、他の客達に寄って取り押さえられ、ドンヘの元に慌てて駆け寄る。
ユノ「おいっ！ドンヘ！大丈夫か！？」
脇腹からしたたる血をハンカチで止血する。
ドンヘ「あー…痛ぇ… これ労災になるかな…」
ユノ「バカ！黙ってろ！直ぐ救急車が来るからな！」
誰かが通報してくれたようで、男は警察に引き渡され、やってきた救急車にドンヘを乗せて病院へ向かう。
この時すっかりとAとの約束は頭から抜け落ちていたんだ。
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213)勘違い<You side>→←211)約束<YN side>
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作者名：mari
| 作成日時：2018年7月7日 0時
