201)理不尽<You side> ページ1
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シウォン「アシスタント？そんなもん、いねえよ。」
これには驚いた。
世界的に有名なカメラマンがアシスタントをつけないなんて。
シウォン「俺は俺の思ったように撮らせてもらう。それが嫌ならこの話は無かった事にするんだな。」
ああ…
やわらかくなったなんて、私の勘違いだったかも。
その時、外から黄色い歓声が聞こえて
「ジェジュンさん入りましたー」
スタッフの声が耳に入った。
シウォンさんをチャンミンに任せて、ジェジュンの元に急いだ。
カン「Aさん。遅くなって申し訳ありません。」
A「いえ！カンさんも大変ですねー！お疲れ様です！」
朝から取材をこなしてきたというジェジュンはちょっとだけ疲れた顔をしていたけれど、彼女役のモデルさんと楽しそうに話をしていた。
チラリとこちらを向いたけれど、すぐに目をそらしてまたモデルさんと話し出す。
カン「…ったく。すいません、本当に。」
A「ふふ…大丈夫ですよ。」
とは言え時間も無いので急がないといけない。
A「申し訳ありません。カメラマンさんがお待ちですので、着替えとメイクをお願い出来ますか？」
楽しく話していたところに水を差されたからか、モデルの樹里さんはあからさまに嫌な顔をしていたけど仕方がない。
シウォンさんを待たせる訳にもいかないし。
当然、綺麗なメイク室なんて無いから、映画館の一室を借りていたんだけど。
樹里「こんなに汚い所で着替えるの？信じられない！暗くてメイクだって上手く出来ないじゃない！」
A「申し訳ありません。古い建物なもので。」
深々と頭を下げた。
撮影が終わるまではモデルさんには気持ちよくいてもらわなければいけない。
こんな理不尽な事を言われるのも、もう慣れっこだった。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年7月7日 0時
