158)拉致<CM side> ページ8
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A「早く食べないと無くなるよー！お母さんの卵焼きは絶品だよ！」
チャンミン「いただきます…」
何故 俺はここにいるんだ？
《おはようございます。タクシーで迎えにいきますから。》
ついさっき Aヌナにメールをして、タクシーで迎えに来たらその場で拉致された。
A「毎朝、コンビニのご飯なんてダメだよ！朝ごはん一緒に食べよ！」
昨日までの地の底まで落ち込んだ人と同一人物とは思えない。
どうして浮上したのかは想像がつくけれど。
母「チャンミンさんは日本語が上手なのねぇ！」
チャンミン「いえ。まだまだです。」
母「日本人より綺麗な日本語だわ。」
父「Aも見習ったらどうだ？」
A「はいはい。チャンミン、沢山食べて！おかわりもあるからね。」
食卓に並んだおかずはヌナのお母さんの手作りのものばかりでどれも美味しくて
家庭料理に飢えていた俺は調子に乗ってガンガンおかわりをして皆を驚かせた。
母「ほんと、気持ちいい食べっぷりね！毎日いらっしゃいよー！」
チャンミン「そんなわけには…」
母「ホテルじゃなくてここに泊まればいいじゃない？」
A「もう！お母さんってば！」
温かい家族だな。
Aヌナがああいう人になるのがわかる気がする。
さすがに満腹になって、お母さんが入れてくれたお茶を飲んでいた頃。
2階からバタバタと階段を下りてくる音がした。
「ああー！姉ちゃん、もっとちゃんと起こせよ！遅刻するっ！」
寝癖がついた頭のまま、階段をかけ下りてきたのはヌナの弟くん？
A「ちゃんと起こしたじゃない！まったく、小学生の頃から全然成長してない！」
武「あ… 」
俺の存在に気がついた弟君はペコリと頭を下げた。
母「Aの会社の方よ。素敵でしょう？どうしてAの周りにはイケメンが集まるのかしらねぇ…不思議。」
チャンミン「シム・チャンミンです。」
武「わー！韓国の方ですか？弟の武です。姉がいつも… わー！ヤバいっ！シムさん、また来て下さい！では！」
寝癖をつけたまま嵐のように去っていった。
A「ごめんね、騒々しくて。」
チャンミン「いえ、大丈夫です。御馳走様でした。とても美味しかったです。」
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作者名：mari
| 作成日時：2018年4月19日 23時
