200)撮影開始！<You side> ページ50
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撮影初日の朝早く。
チャンミンと一緒に撮影場所となる下町の映画館に到着した。
今まではこういう大きな現場は榊さんが仕切ってくれていたけど、榊さんも西村さんもいない。
西村さんやユリちゃんは夜からの撮影場所で合流することになっていた。
A「緊張して吐きそう…」
チャンミン「まだ夕べの酒が残ってるだけじゃないですか？」
チャンミンを睨みながら、衣装さんやメイクさんなど、撮影スタッフさんに挨拶にまわる。
こんなに早朝だと言うのに、どこから聞き付けてきたのか映画館の周りはジェジュンのファンでいっぱいで、あらためて日本での人気の高さを認識した。
チャンミン「ヌナ。これをつけて下さい。じゃないと揉みくちゃにされますよ。」
A「う、うん。」
慌ててスタッフ専用のパスを首からさげた。
チャンミン「警備スタッフを呼んでて正解でしたね。」
下町の小さな映画館は廃館の予定になっていて、私が描いた絵コンテ通りの小さな映画館だった。
あの頃…
昼間は出歩く事が出来ないジェジュンと一緒に、古い映画館でレイトショーを見たかった。
きっとジェジュンは直ぐに寝てしまうだろうけど。
映画を見ている時間は、堂々と手をつないでいられる。眠くなったら肩だって貸してあげられるのにって。
当時はそんな風に思ってたっけ。
チャンミン「案外、乙女なんですね、ヌナ。」
A「う…うるさいな//////」
撮影コンセプトの本当の意味を知っているチャンミンは隣でニヤニヤしていて、恥ずかしくて仕方がない。
スタッフ「カメラマンのシウォンさんがいらっしゃいました。」
チャンミン「来たみたいですね。」
チャンミンと一緒にシウォンさんの控え室に向かった。
コンコン！
映画館の中に借りた一室で、シウォンさんが持ってきた機材をチェックをしていた。
A「おはようございます。本日は宜しくお願いいたします。」
シウォン「ああ、よろしく。」
相変わらず無愛想だけど、どこかやわらかくなった気がする。
チャンミン「あの…アシスタントさんと打ち合わせをさせて頂きたいんですが。」
シウォン「アシスタント？そんなもん、いねえよ。」
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作者名：mari
| 作成日時：2018年4月19日 23時
