162)絵コンテ<You side> ページ12
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チャンミン「ヌナとチョンさんの絆は、これを越えられませんか？」
A「…」
何も言えなかった。
《俺は、凛として仕事してるAも好きだよ？》
複雑な思いを抱えながら、頑張っておいでと送り出してくれたユノに何て言えばいいのだろう？
チャンミン「ヌナ。俺はスタジオとカメラマンの手配で出掛けなくてはいけません。ひとりで大丈夫ですか？」
A「…大丈夫。」
諸々の手配をチャンミンに任せきりだったのを思い出し、自分を奮い立たせる。
A「大丈夫。任せきりにしてごめんね。チャンミン。」
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※
※
ジェジュンが私に出した宿題。
彼が《してあげたかったこと》の続き。
《彼女がしたかったこと》
実家から持ってきた荷物の中にある古い筆箱を取り出した。
置きっぱなしでしばらく開けることも無かった筆箱。
中には使い古した鉛筆が何本か入っていた。
「…高城… おい、高城どうした？」
どのくらいたっただろう。
声をかけられて顔を上げると、西村さんが立っていた。
西村「何を真剣に書いてるんだ？」
A「あ…西村さん！お疲れ様です。」
西村「さっきから声かけてるのに全然聞こえてなかったのか？榊から連絡があって、お前と連絡が取れないって。」
A「え？」
置きっぱなしのスマホを見ると、榊さんからの大量の着信。
A「すいません！全然気が付きませんでした…」
西村「心配してるから連絡してやれ。ところでお前、何をそんなに夢中で書いてるんだ？」
A「今回の写真集のコンセプトです。私、文章にするのが苦手で、日本人にも韓国人にもわかるように絵コンテを書いていました。」
西村さんが私が書いていたものを手に取ってまじまじと見ている。
それが《私がやりたかったこと》なんて言えないけど。
西村「お前、絵が上手いんだな。絵コンテのレベルじゃないじゃないか。絵の勉強でもしてたのか？」
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作者名：mari
| 作成日時：2018年4月19日 23時
