059）彼の家に<You side> ページ9
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ジェジュンのマンションの前にいた。
入居者を装って、専用の入り口から暗証番号を押して中に入る。
暗証番号が変わっていなくて良かった。
エレベーターで最上階のジェジュンの部屋を目指す。
《休んでいる》と聞いただけで、自宅にいるとは限らないけど
カンさんが私にその話をしたのは、そういう意味だったような気がして。
ピンポーン
インターホンを押す手が震える。
私は何をしにここに来たんだろう。
ジェジュンのあのバラードを聞いてしまったら、足が勝手に動いていた。
カチャ…
ドアが静かに開いて
「…入って。」
ジェジュンは私を招き入れた。
廊下がいつもよりも長く感じる。
「…どうかした？」
リビングの入り口で突っ立っている私にソファに座ったままジェジュンが話しかける。
ジェジュン「…」
A「…」
視線を合わせられない。
ジェジュン「聞いたの？俺の事。」
A「…カンさんに会ったの。事務所で偶然…」
ジェジュン「そう。それで？慰めに来てくれた？」
A「…」
ジェジュン「冗談だよ。座って。」
ジェジュンの部屋の大きなソファに、少し離れて座る。
ジェジュン「カンさん。おしゃべりだな。」
A「心配…してた。」
ジェジュン「Aも…心配した？」
A「う…ん」
ジェジュン「手…見せて。」
A「え？」
ジェジュン「ケガ。しただろ？」
A「大した傷じゃないの。もう治ってるし。」
ジェジュン「うそつけ。血が出てる。」
咄嗟に隠した筈の手を引き寄せられて
ジェジュン「待ってて。」
ジェジュンはスッと立ち上がった。
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060）ごめん<You side>→←058）優しいバラード<You side>
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作者名：mari
| 作成日時：2018年1月31日 23時
