087）待ち合わせ場所<YN side> ページ36
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ユノ「朴さん。巻き込んでしまって本当にすいません。もし上手くいかなかったとしても、朴さんの責任が問われるような事には絶対にしませんから。」
ロビーにあるソファに浅く腰掛けながら、これから起こるかもしれない最悪の可能性について、朴さんにも話をする。
Aさんも神妙な面持ちで話を聞いていた。
朴「寂しい事を言わないで下さいよ。僕はもうこのチームの一員だと思ってるんですから。」
ユノ「朴さん。ありがとうございます。心強いです。」
ドンヘ「ま、やることはやったし。後はなるようになるよ。」
本当は一番心配しているくせに、そんな事は一切顔には出さない俺の親友。
ドンヘ「でもさ。なんで待ち合わせの場所がレストランなんだ？普通は安藤様の会社とか、ホテルとかじゃね？」
朴「私も気になって調べてみたんですが、個人経営の小さなレストランみたいですね。親族が経営しているという事でも無さそうですし。」
ユノ「それもそうだな。まぁ、食事を楽しむ余裕なんて無さそうだけど。」
待ち合わせの時間まであと1時間。朴さんの運転する車に乗って、指定された場所に向かった。
早めに出発して良かった。
韓国ほどでは無いけれど、日本の交通渋滞もなかなかのもので、待ち合わせ場所に着いたのは約束の10分前。
こじんまりとした一軒家を改築したようなその店は、これから大きな契約をまとめるような場所にはとても見えず
ドアの前には《本日貸し切り》のプレートがかかっている。
何も言わないけれど、おそらく考えていることは4人とも一緒で、お互い顔を見合わせては首をかしげた。
ユノ「行こう。」
躊躇してばかりはいられない。意を決して店のドアを開けた。
《いらっしゃいませ。チョン様。お待ちしておりました。》
2卓しか無いテーブル席。どちらかと言えば家庭的な雰囲気。
ユノ「チョンです。今日はお世話になります。」
俺の精一杯の日本語で挨拶をしたのは、20代後半位の若者だった。
「どうぞ！お入りください。」
少年のようにあどけない笑顔をしたその男性は、俺達を席に案内すると厨房のほうに入っていった。
A「素敵なお店ですね。」
ドンヘ「さっきからうまそうな匂いが…」
朴「でも…従業員は彼しかいないんでしょうか？」
言われてみれば、店の中には彼以外の従業員は見当たらなかった。
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作者名：mari
| 作成日時：2018年1月31日 23時
