･･:*:･Chandelier それぞれの愛し方 2･･:*:･ (ページ21)

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071）金浦発東京行<YN side> ページ21

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ユノ「何でお前がいるんだよ…」

土曜日AM10時金浦発東京行きのファーストクラス。

横に並んだ席には、俺とAさんと何故かドンヘ。

ドンヘ「そう言うなって。仕事が終わったらすぐ退散するからさぁーこう見えても俺、営業の責任者なんだぜ？」

ユノ「知ってるよ。」

まあ、こいつの人たらしの才能は認める所だし。居てくれた方が俺も心強いのだけど。

ドンヘ「Aちゃん、よっぽど疲れてたんだろうなぁ…車の中でもほんと眠そうだったし。」

ユノ「…ああ。」

目の下にクマを作って、見るからに寝不足のAさんを放っておけなくて

飛行機の中で眠ることを勧めた。

離陸してすぐにリクライニングしてあげたら、瞬間眠りについた。

ドンへ「自分の仕事もあったのに、無理して来てくれたのかもしれないな。」

ユノ「…」

いくらファーストクラスとはいえ、寝るのには窮屈な座席で何度か寝返りをうつAさんのブランケットをかけ直す。

少しだけ見える寝顔はあどけなくて子供みたいで

ユノ「ふっ…」

思わず口元が緩んでしまう。

ドンへ「お前、キャラ変わったなー(笑)」

ユノ「うるせー」

ドンへ「ところでさ。安藤様を本当にソヨンの親父に紹介するの？」

ユノ「紹介しないわけには行かないけど。今後関わりを持つかどうかは安藤様に決めてもらえばいいさ。いくら親族になるからと言って、メリットの無い会社と無理に繋げる訳にはいかない。」

ドンへ「そうだな。」

ユノ「必要ならば、全て話すよ。それで契約が破棄されるような事があっても俺が責任を取るから。お前は同席しなかった事にしろよ。」

ドンへ「…バッカだねぇーお前。お人好しも度が過ぎるとウザイぞ。それに営業部の奴らに、日本に行くって宣伝しまくっちゃったし。ド◯キ◯ーテで土産も頼まれてる(笑)」

ユノ「あっそ。」

本当は心配して来てくれたのはわかってるよ。ドンへ。

ドンへ「Aちゃんに、お前が社長の息子だってことは話したのか？」

ユノ「いや、まだ。なんか言いづらくなっちゃって。」

ドンへ「ちゃんと話せよ。長引くとよけいに言いづらくなるぞ。」

ユノ「わかってる。」

俺の素性を知っても、今まで通り一緒にナポリタン食べてくれるかな。

Aさん。