043）奇跡1<YN side> ページ43
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う
もちろんお礼をしたかったのもあるけれど、何より話がしたかった。
広いソウルの中で奇跡的に会えたんだ。
連絡先が知りたい。
「じゃあ俺も！」なんて、空気を読まないドンヘがくっついてこようとするから
「俺、Aさんを病院に連れて行ってくるから。」
怪我を言い訳にして、Aさんを無理矢理連れ出した。
実際、怪我も気になっていたし。
ユノ「ほらね。やっぱり診てもらって良かったでしょ？」
破片が傷口の中に残っていて。
Aさんは医者にシャンパングラスの破片だと言っていた。
シャンパングラスなんて、そうそう家で使うものでもない。
Aさんは元彼と会ったんだと直感的に思った。
駐車場の車まで連れて行って助手席に乗せると、そのままシートベルトをつける。
その瞬間、Aさんの体が強ばって
「…ジェジュン」
そう聞こえたがした。
ユノ「Aさん？どうかした？」
Aさんは無意識に手のひらの傷を隠した。
この傷はその時につけられたものだと確信した。
Aさんはまだ先に進めてないのかもしれない。
ユノ「…行こうか。何が食べたい？」
A「あ…チョンさんの好きなもので…」
ユノ「じゃあ…オススメの店があるんだ。そこでいい？」
A「はい。」
僕は静かに車を発進させた。
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作者名：mari
| 作成日時：2017年12月26日 0時
