005）待ちぼうけのクリスマス5 <You side> ページ5
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ユノ「僕は…いいんだ。彼女がここに来ても来なくても終わらせるつもりでいたから。」
A「え？」
ユノ「お肉は好き？このステーキ柔らかくて美味しいよ。」
手慣れた様子でステーキをカットするチョンさんは顔を上げなかった。
A「あの…変なこと聞いてしまってすいません。」
ユノ「いいんだよ。本当の事だし。僕こそ誘っておいてなんだけど、良かったのかな？食事に付き合ってもらっても。」
A「はい。もうダメなんだと…わかりました。だからいいんです… 」
ユノ「そっか。じゃあ今日は僕たちが新しい一歩を踏み出した記念日だね！今度こそ乾杯しよう！」
チョンさんは半分くらいずつシャンパンが入ったグラスを手に持った。
新しい…一歩か。
彼と知り合ってから4年。付き合って欲しいと告白されて彼女になってから3年。
私はいつも彼の一番じゃなかった。
そんな事はとっくにわかっていたのに。
認めたくなくて。認めたら立っていられない気がして。
でも認めざるを得なくなって。
それでも乾杯しようって笑い飛ばしてくれた目の前の人に救われた。
明日からも立っていられるかな。
A「乾杯…」
とても綺麗なピンク色のシャンパンはまるで魔法の水のように私たちを写し
これを飲んだらきっと忘れさせてくれるんじゃないか…なんて錯覚を起こしたりして…
ユノ「Aさん？大丈夫？ゆっくり飲んで。」
この時、私は空きっ腹でもチビチビ飲んでいた事をすっかり忘れていたんだ。
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作者名：mari
| 作成日時：2017年12月26日 0時
