023）重い扉<YN side> ページ23
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ドンヘとランチをして会社に戻ると
「部長、ソヨンさんが…」
事務の女の子がこそっと教えてくれた。
少し前なら心踊っていただろうな。
【企画推進部 部長】
重たい気分でドアを開けると、部屋の中のソファにはソヨンが座っていた。
ソヨン「お帰りなさい。ユノ。待ってたの。昨日はごめんなさい。」
昨日のすっぽかしの事？それとも。
ユノ「何にごめんなの？」
昨日は兄貴と過ごした事くらい、俺だって知ってる。
ソヨン「昨日、連絡も出来なくて。ごめんなさい。待っててくれたんだよね？」
ユノ「待ってたけど。でも思いのほか楽しい時間が過ごせたんだ。だから気にしなくていい。」
ソヨンの顔色が変わる。
ソヨン「それって…どういう意味？」
ユノ「…言葉のままだよ。」
ソヨン「ユノ。お詫びに今日はご馳走したいと思って。ほら、今朝話したイタリアンのお店…」
ユノ「悪いけど今日は遅くなるんだ。近々、大事な接待がある。その準備で皆忙しいんだよ。」
ソヨン「そう…ごめんなさい。じゃあ、また来週にでも…」
ユノ「ソヨン…もうこんな事はやめよう。ソヨンが兄貴を選んだなら、俺は祝福するよ。だからもうここには来るな。」
ソヨン「…」
ソヨンはしばらく俯いたまま部屋を出ていった。
ドサッ
さっきまでソヨンが座っていたソファーに身を沈める。
泣かせてしまったかもしれない。
でもこれでいいんだ。
ソヨンには兄貴がいる。
スーツの内ポケットから財布を取り出すと、Aさんが置いていったメモを手に取った。
《 ありがとう 》
Aさんも前に進めただろうか？
ユノ「俺も頑張るから。」
《お守り》をきれいにたたんで、また財布にしまった。
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作者名：mari
| 作成日時：2017年12月26日 0時
