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毎週日曜日の朝、
今週のスケジュールと文頭に書かれたLINEが届く。
今日も1週間の予定がまとめて送られて来ていた。
月 テレビガイド撮影11時 POTATO撮影16時
火 オフ
水 オフ
木 プレバト収録17時(予定)
金 キスどき11時(予定)
早朝で眠い中確認するので毎回なんとなくしか目を通さないのだけれど
今回は「オフ」の文字が二日続いて二度見する。
久しぶりの連休に重い目蓋がぱっちり開く。
…Aちゃんが有給消化してる期間は
木曜日まで。
お？
これは、もしかすると、もしかして。
「えー！連休なんですか横尾さん」
Aちゃんが俺の家で過ごすようになってから、朝ごはんをちゃんと食べるようになった。
ダイニングテーブルで向かい合わせで目玉焼きをつつきながら連休を報告すると、Aちゃんは嬉しそうに驚く。
「うん、超久しぶり。」
「じゃあゆっくり休まないとですね」
「えー、Aちゃんはそれでいいの？」
俺のこと考えてくれてるんだろうけど
でも少し自分を押し殺したような表情に気づいたので、わざと聞いてみるとAちゃんは笑った。
「どこか行きますか？」
Aちゃんもその台詞を待ってたように返すので、俺も笑ってしまう。
「最初からそう言ってよ」
「ふふ、横尾さんから誘ってほしくて」
「なにそれ」
今日と明日頑張れば小旅行。
そのいきなり決まった予定に2人ともわくわくが止まらない。
「俺も調べとくから、帰ったら決めよ」
Aちゃんはそれを聞くと嬉しそうに、早速スマホを開いて調べているようだった。
食べ終えた食器を片付けると、迎えの車がもうすぐ着くというLINEが来る。
「あー、行きたくない〜」
名残惜しいようにAちゃんを抱きしめるとぽんぽんと、子供をあやすように背中をたたいた。
「旅行まで頑張りましょ？」
「旅行の為に稼いでくるわ」
「どこまで旅行するつもりですか」
ただの一泊二日で、行き先すら決まってないのに浮かれる俺。
玄関を出てエレベーターに乗っている時も、早速スマホで『一泊二日 旅行』を検索してしまっていて
俺ってアホだなあと思うのだった。
マンションを出ると新しいマネージャーが既に待っていて
近づくと、なんだか申し訳なさそうな顔をしていて不穏な空気。
めちゃくちゃ嫌な予感がする。
「え？何？なんかあった？」
「朝のLINE、火曜夜の歌番組の収録抜けてまして…」
…火曜日、火曜日って、
連休の初日。
「はああ〜〜？？？」
思わず、自分の家の前って事も忘れて大きな声を出してしまうのだった。
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作者名：soda | 作成日時：2020年5月26日 2時
