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なんていうか、大人気なく寂しくなってしまって。
えい、と横尾さんに膝枕されてる頭を上げて腰に腕を回す。
「…うん、うん、はいはいはい」
そんな私の行動にびっくりしたのか、また目線を私に向けた。
少し対応に困ったような表情とちょっとニヤけてる表情が混ざっていた。
でも、電話はまだまだ終わらないようで横尾さんは会話を続ける。
「いや、別に何もしてないけど。」
面倒くさい事にならないように嘘をつく。
そんな横尾さんは申し訳なさそうに私の髪を撫でるので、その手をぎゅっと握ってみる。
「もう切るから、次また現場で話さない？」
なんて無理に切り上げようとするも、なかなか電話は終わらない。
私は私で困った顔をする横尾さんが可愛く見えてしまって、握った横尾さんの手にちゅ、と唇を寄せてみる。
「え、ちょ、あ、いや何でもない」
まだ電話は繋がっているのに声を漏らす横尾さん。
え、なんか少し面白い。
イタズラ心にスイッチが入って私もニヤつく。
浴衣の襟に指を伸ばして肌にふれてみる。
意外とこれは動じないみたいで、
更に私は少しはだけた襟元に顔を埋める。
おまけにその胸元にまたキスを落とす。
「あーもう、あ、いやこっちの話」
くすぐったそうにする横尾さんは顔を赤くする。
にやにやが止まらない私はそのまま、横尾さんに跨って、
胸元から鎖骨、首筋、頬にちゅ、ちゅ、と何度もキスすると
「あ〜、切る、切ります！」
そう言って、まだ喋っている彼女の電話を一方的に切ってスマホを投げ捨てるように乱雑に置いて、
すぐに押し倒すように私に抱きついた。
「なにもう、Aちゃん、寂しかったの？」
愛おしそうに私を見るから、私もこくりと素直にうなずく。
「やりすぎ、俺、我慢できなくなるじゃん」
「しなくていいです、我慢」
「もう、いじわる」
横尾さんはそのまま顔を近づけて、深くキスをした。
苦しくなるくらい角度を変えて、漏れる息も逃さないように何度も重ねて
「…ん、横尾さん、もっと」
「どしたの、Aちゃん、もっとすごいのしていいの？」
「ふふ、お願いします」
これがよく考えたらやきもちからくる行動なんて、
あとからじわじわと気付くのだった。
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作者名：soda | 作成日時：2020年5月26日 2時
