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「ふふっ、離れるのは嫌かな」

『え、』

「だってやっと会えたんだ___もう離したくない」



っちょっと待って。

その言い方じゃあ、まだ私のことを好きみたいな___



私の思考を察したのか、景光くんは言った。



「オレ___まだAちゃんのこと好きだよ。諦めてないからね?」

『っ………!?』



ボンっ!と音が鳴りそうなくらい急激に顔に熱があがる。



『な、なななに言って…』

「ん?何ってそのままの意味だよ?」



な、7年も経ってるのに…!?

一途なところは景光くんらしいといえばらしいけど…!



恥ずかしさで目を逸らすしかなくなる。

景光くんの話の内容が全然頭に入ってこない。
 


すると突然、彼に両腕を掴まれて頭上に掲げさせられた。



「ねぇ、ちゃんと聞いてる__?」



耳元で囁かれて、くすぐったさと恥ずかしさで顔に熱があがる。



『聞い、てるってば』



強がるように語気を強めて言ってみたが、今の彼に効いているかは分からない。



私の両腕を片手で掴んでしまえる彼は、大人の男の人(・・・・・・)だ。

私の方が上手(うわて)だったあの頃とは違う。



認めたくない。

認めたくないけど、私、景光くんにドキドキさせられてしまってる__!!!!



「オレ、ずっと会いたかったんだよ」



それは私だってそうだ。

ずっと会いたかった。



「それで今日、こうやって会えたわけだけど___」



彼は、目を細めて口角を上げながら口にした。

この世の女性を虜にしてしまうような色気を含んだ笑みで。



「Aちゃん。もう“恋愛対象外“だなんて言わせないからね」



“恋愛対象外”という単語が何かのパスワードだったかのように私の脳内をぐるぐると巡る。

そう、警察学校時代の彼は私にとって恋愛対象外だった。



「今度こそオトすからね。覚悟してて」



そう言う景光くんのはあの可愛い笑顔ではなく、妖艶で不敵な笑みを浮かべた。



…な、なにそれっ!

無意識にかっこいい、とか思っちゃうじゃん…!



私は悔しくなって、精一杯の対抗のつもりで半ば叫ぶように言った。



『そ、そーいうことなら受けてたつっ!!!』




こうして、私と景光くんの攻防戦が始まったのだった。

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くるみ(プロフ) - とっても面白かったです (10月6日 0時) (レス) @page47 id: dd662f3c96 (このIDを非表示/違反報告)
Rei(プロフ) - はじめまして、景光くんの優しさや真面目さが大好きなので、景光くんの一途な思いに凄くときめきました。素敵な作品をありがとうございます。 (2022年9月21日 3時) (レス) @page47 id: 8f97d5546c (このIDを非表示/違反報告)
江良(プロフ) - 足軽さん» コメントありがとうございます!大好きだなんて嬉しいです…!このお話が栄養剤になるなんて光栄です(笑)疲労をほぐして頑張ってくださいー! (2022年8月28日 15時) (レス) id: 37f133a8ec (このIDを非表示/違反報告)
足軽(プロフ) - 大好きすぎます………栄養剤になりますありがとうございます………疲労によく効く…… (2022年8月28日 15時) (レス) @page1 id: 762e6989c9 (このIDを非表示/違反報告)
江良(プロフ) - 田舎ママさん» コメントありがとうございます!素敵だなんて…!めちゃくちゃ嬉しいです!こちらこそ最後まで読んでいただきありがとうございました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: 1888b997ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:江良 | 作者ホームページ:**  
作成日時:2022年7月19日 22時

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