先 輩 後 輩

■ ページ15

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　『玄弥くん玄弥くん。さねみんにさ、凡間Aパイセンには優しくしてあげてください って言っておいてくんない？最後に クソボケカス も付けてくれると有難いんだけど』

玄弥「何言ってんですか……」

　『最近ね、授業中ずっと目光らせてくるの。私にだけ。ちゃんと聞いてるのに』

実弥「目ぇ開けて寝てただろうがァ」

　『いてっ』






　丸めた教科書で軽く頭を叩かれる。


　魔法の言葉使ったろかこんちきしょー。





　『寝てないもん』

実弥「いいや寝てた。当てても返事すらしねぇしなァ」

　『玄弥くん。びしっと言ってやってよ』

実弥「言われるべきはおめェだアホがァ」




　２回目。２回も叩かれた。３回目はないぞ覚えてやがれ。




実弥「あと制服のボタン、また言われっぞォ」

　『見ないで変態教師』

実弥「ぶっ飛ばされてェのかァ……？」

　『さて、ここで問題です。教師が怯む魔法の３文字はなーんだ』

善逸「ＰＴＡ」

　『大正解。じゃあな』

善逸「じゃあな」

実弥「……………」






　ＰＴＡは強いぞぉ〜〜。



　そしてナニユエ善逸くんが。






善逸「一緒に帰ってもいいですか」

　『いいですよ』





　しのぶはカナヲちゃんとお買い物らしいし。





　『炭治郎達はいいの？』

善逸「今日は、というか、今日も先輩と帰りたいんで。優先順位は常に先輩です」

　『友達は大事にしようね』

善逸「アイツらが俺を大事にするべきだと思う。切実に」





　特に伊之助……と顔を顰める。




　否定はできないな。









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　校門を抜ければ、炭治郎達の背中を見つけた。




　その中には禰豆子ちゃんや、しのぶ達の姿も。





善逸「わっ、禰豆子ちゃぁ〜〜んっ！！！」

禰豆子「むっ……」

炭治郎「抱き着くの禁止」

善逸「誰もンなことしてないじゃんか……」





　あれ、なんだこれ、なんか胸の辺りが気持ち悪い。





　『居たんだ』

胡蝶「そこで別れるんですけどね」

　『次いつ一緒に帰れるの』

胡蝶「明日です」

　『約束』

胡蝶「はいはい」







　なんだろ。しのぶがいるってだけでめちゃくちゃ落ち着く。


　マイナスイオンでも放ってんのかな。




　善逸は相変わらず女の子達にデレデレだけど。




　『んじゃ、また明日』

胡蝶「あら、善逸くんはいいんですか？」

　『いいのいいの』





　妬いてしまっている自分がうざったくて仕方がないから。







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