7.初めての、、 ページ7
黎斗「最近、少し君の様子が気になって心配をしているんだ」
A「私、ですか?」
黎斗「ああ。どんな時もポーカーフェイスの君なのに、最近は時々何が別の事を考えてるんじゃないかと思う時がある」
さすがはゲームマスターだ。
こんな自分の変化に気付かれていたとは。
黎斗「何か心配事でも?」
A「仮面ライダーも4人になって、グラファイトやパラド、衛生省も本格的に絡んで来るようになりました。ですので、今まで以上に気を付けなければ社長の計画を気付かれてしまうのではないかとあれこれ考えてしまうんです。」
それは嘘ではないのだけれど。
黎斗「そうだな。だが、本当に君の悩みはそれだけか?」
A「えっ、、」
また、正宗との計画がバレそうなのかとAの心は一瞬どきりとしたが、そうではなかった。
黎斗「花家大我のことじゃないと良いんだが」
口の端で笑いながらAを見た黎斗に、表情を変えずに目を合わせておくのはなかなかの試練だった。
花家大我、、、その名前にまたAの宿主の記憶と先日の大我の腕の感触がハウリングしながら蘇る。
黎斗「奴を見ていた君の顔、あんな表情は初めて見たよ。正直、、、嫉妬したかな」
A「御冗談を。」
黎斗「花家大我の事を考えて、時々曇った顔になるのかい?」
A「まさか。そんな事はあり得ません。彼はただのテストライダーです。」
これも嘘じゃない。
花家大我の事を考えている訳じゃない。
宿主の記憶とのハウリングが頭を悩ませているだけなのだから。
黎斗「じゃあ、君の心配事は何だ?一つくらい君のことを私に教えてくれないか?」
握っていた手をもう一度握り直して黎斗が優しく微笑んだ。
私の悩み事はあのハウリングだ。
あの日からずっと疑問に思っていた事。
花家大我の腕だから記憶がハウリングしたのだろうか。
それとも誰の腕でも記憶はハウリングするのだろうか。
その疑問の答えを知りたくて、甘く微笑んで見つめたまま、そっと近づいてAを抱きしめる黎斗の腕を拒否しなかった。
抱き寄せられたAの身体に黎斗の腕が絡み背中に回る。委ねるように黎斗の胸に顔を埋めてそのまま抱き合っていた。
黎斗の体温が染み込むのはAの身体にだけではなかった。それは初めて心が感じる包み込まれる安らぎの暖かさ。
そして初めて聴いた黎斗の鼓動が心地よく、ずっと聴いていたくてAはそっと目を閉じた。
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大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 最後までお読みいただきありがとうございます!大好きだなんて、、うれしいです!!大人セクシー路線の黎斗とグラファイト、お楽しみいただけて良かったです! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» 皆さんにご理解頂けるか謎過ぎたグラファイトとの関係ですが、ホッとしました! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつもコメントありがとうございます!とても励みになりました^_^書けば書くほどグラファイトを好きになって大変でした爆 またどうぞよろしくお願いします! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 双羅さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!こんな夢主ちゃんを受け入れてもらえるかちょっと不安だったのですが、ありがとうございます!貴利矢も大好きなので頑張ってみます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - お疲れ様でした!相変わらずの素敵な神とグラファイトにやられます。いつも楽しみで仕方ないです!大好きです!爆 又楽しみにしてます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年5月17日 17時