4.ハウリングする感覚 ページ4
A「大我、、、」
大我「?!」
大我に抱えられたまま、うっすらと目を開けたAの口を突いて出たのは思いがけない言葉だった。
もう5年も前から知っている人間に突然下の名前で呼ばれ、大我は強い違和感を覚えた。
Aもふと自分の口から出た言葉に驚いて、体の感覚も徐々に戻って来る。
大我「大丈夫か?」
A「ええ、、ごめんなさい」
大我がAの背中を支えながらゆっくりと抱き起こそうとしていると、社長室のドアが開き、黎斗が帰って来た。
黎斗は自分のデスクの陰で重なり合う様に見つめ合う2人を見て一瞬その目を怒りで細め、ツカツカと歩み寄った。
黎斗「花家先生!私が不在の時に勝手にここに入らないで頂きたいと言ったはずです。それとも、私にではなく、、、秘書の方に秘密の御用でも?」
A「社長、違うんです。あの、、私が目眩を起こしてしまい、、、その、、」
いつも冷静沈着なAが珍しく言葉を濁してはっきり言わない事に、黎斗は苛立ちに似た感覚を覚えた。
大我「勘違いすんな!お前の秘書は迷走神経反射で倒れただけだ。それより、俺はお前に用がある!」
大我はグイッとやや乱暴にAを引き起こすと黎斗を睨んだ。
大我「あの仮面ライダーはなんだ?新たな適合者か?」
黎斗「ええ、そうです。貴方の代わりだ。」
大我「ふざけんな!仮面ライダーは俺一人で充分だ!」
大我が怒りに任せて部屋のドアをバタンと閉めて出て行くと、黎斗はそのドアを鼻で笑って椅子に腰をかけた。
黎斗「彼には困ったものだ」
そう言う言葉とは裏腹に黎斗の顔はニヤリと笑った。
黎斗「全ては計画通り。きっと彼はまたゲーマードライバーとガシャットを欲しいと言ってくるさ」
A「ええ。全て社長の思惑通りに駒が動いていますね。」
なんとか気持ちの落ち着いたAに黎斗がまた顔を覗き込んで来る。
黎斗「花家大我に何をされたんだい?」
A「目眩を起こしてしまい、倒れた所を花家大我に起こされていました」
黎斗「本当にそれだけか?」
A「それだけです」
黎斗「動揺している君を初めて見たから少し気になったんだ」
A「申し訳ありません。目眩で倒れたのが初めてだったもので。」
黎斗に言える訳が無い。
宿主の記憶が花家大我の腕の感触にハウリングして動揺してしまったなど。
Aがバグスターである事は正宗しか知らないのだから。
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大崎舞子(プロフ) - kojiさん» 最後までお読みいただきありがとうございます!大好きだなんて、、うれしいです!!大人セクシー路線の黎斗とグラファイト、お楽しみいただけて良かったです! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - Hyuiさん» 皆さんにご理解頂けるか謎過ぎたグラファイトとの関係ですが、ホッとしました! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - moon791さん» いつもコメントありがとうございます!とても励みになりました^_^書けば書くほどグラファイトを好きになって大変でした爆 またどうぞよろしくお願いします! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
大崎舞子(プロフ) - 双羅さん» 最後までお読みいただきありがとうございました!こんな夢主ちゃんを受け入れてもらえるかちょっと不安だったのですが、ありがとうございます!貴利矢も大好きなので頑張ってみます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 82a79b3fc1 (このIDを非表示/違反報告)
koji(プロフ) - お疲れ様でした!相変わらずの素敵な神とグラファイトにやられます。いつも楽しみで仕方ないです!大好きです!爆 又楽しみにしてます! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 91fefba221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おおさきまいこ | 作成日時:2018年5月17日 17時