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ただの”幼馴染”でしかなかった君が、今はこんなにも大切で愛おしい。ずっと欲しかった君からの愛は私の全てを幸せで包み込んでくれる。──なんて温かくて、優しいのだろう。
遅くなってしまったけど、私もこの想いを伝えるから。
『･･････私も、飛雄が好き』
歪む視界を擦り、一度クリアにする。ゆっくりと広い背中に手を回せば、ぴくっと身体を震えさせた飛雄が小さく息を詰まらせる。
──･･････好き、大好き。
想うだけでこの胸が張り裂けてしまいそうなくらい。
ふたりのあいだに空間ができると、至近距離で視線が交わる。驚いて目を丸くしている様子を見るに、まさか私が同じ気持ちでいるとは思っていなかったのだろう。
「は･･････、本当か？」
『うん。私も飛雄が好き』
「幼馴染としてじゃねぇよな」
『ふふっ、･･････
さっきまでの私と同じ思考に至っているのだろう。分かりやすい反応が可愛くてつい口元が綻ぶ。想い願っていたことが現実になると人はどうしても物事を疑って捉えてしまうらしく、その願いが大きければ大きいほど受け止めるのには時間が必要なのかもしれない。
少しの間を置いて、ようやく互いの想いが同じだと呑み込んだのだろう。私の肩から力なく手を離すと、大きな溜め息とともにその場にしゃがみこんだ。
「･･････マジか･･････すげぇ嬉しい」
『うん。私も、嬉しい』
紅潮した顔で口元に手を持っていく飛雄が本当に嬉しそうな表情をしていて、つられて私までニヤけてしまう。下唇を噛みながら小さな巾着で顔を隠せば、私たちのあいだにもどかしくて初々しい空気が漂いはじめた。
──あんな嬉しそうな顔、反則でしょ。
飛雄は切り替えるようにひとつ咳払いをすると、優しく私の左手を取る。躊躇いのない蒼い瞳が、真っ直ぐに見上げてくる。
「俺と、付き合ってください」
『･･････ッ、はい、』
「バカ、泣くなよ」
『だって、っ、嬉しくて、』
再び溢れ出る熱いものに、飛雄は困ったように笑う。ゆっくりと立ち上がって私の目元を優しく撫でると、頬を伝う涙を拭ってくれた。
名前を呼んでくれるその声も、涙を拭ってくれる繊細な指先も、安心するこの温もりも。飛雄の全部がどうしようもないくらい大好きで。──満ち溢れた幸せに、このまま溺れてしまいたいと思った。
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惠音(プロフ) - chiさん» この作品を見つけてくださってありがとうございます....！切甘いいですよね！物語が進むにつれてどんどん切なくなるので楽しんでもらえたら嬉しいです！！ (11月21日 19時) (
レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - ここまで一気に読んでしまいました！何で今まで出会えなかったんだ最高に切甘で苦しくて好き(；；)ww 続き今から読みます♡♡ (11月20日 23時) (レス) id: 908a554440 (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - いもりさん» わぁぁ！こちらこそ読んでくださってありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです！完結まで結構長いのですが、ごゆるりとお付き合いくださると幸いです....！ (2024年4月2日 1時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
いもり - ううううう・・・マジで大好きです。影山が・・うぎゃああ尊さで死にそう・・( ´･ω･`)原作にそった性格で距離の詰め方も解釈一致でドキドキしっぱなしでした...！こんな素晴らしい小説を書いて下さりありがとうございます！ (2024年4月2日 0時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
惠音(プロフ) - mooさん» 五章以降も甘々注意報出てますのでお気を付けください(˶ˊᵕˋ˵)この先もまったり楽しんで頂けたら嬉しいです〜！ (2023年3月25日 22時) (レス) id: eb865940ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：惠音
| 作成日時：2023年1月14日 19時
