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ウジside

「私、言葉ってすごく好きなんです。

結局その人の生き方が染み込むから…

嘘つけないですよね、言い方とか、声の震えとか」

俺は返事なんてできなかった。

できるわけがない。

胸のどこか柔らかい部分を
ぐっと掴まれたみたいで、
言葉が出なかった。


「訳詞を考えるときも、

“この人ってどんな世界を見てきたんだろう”って考えちゃって。

それで、その世界を壊さないように訳そう

って思うとだんだんその人の人生が見える気がして…

それがすごく好きなんです」



――ああ。

この瞬間だった。

俺がこの人を「特別」だと思ってしまったのは。

俺が何年も、ひとりで抱えていた音の悩みや癖を、
気づかれたくなかった弱さまでを、
この人は優しく見抜くのだろう。

怖いのに、
離れたくなくて、
もっと聞いてほしいなんて思ってしまう。

そんな人に、初めて会った。

9→←7



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作者名:えぬ | 作成日時:2025年11月14日 17時

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