心配していないとは / kwmr ページ20
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彼と過ごす至って普通の休日。お互いの休日が重なるのは日常ではないが、そんなに珍しくもない。間違いなくインドア派の彼と、まあどちらかといえばインドア派かも、みたいな私は休日をこうして家で過ごすことも多い。一緒に住んでいるとなれば、尚更だ。
部屋の掃除をして、干してあった洗濯物を取り込んで、なんて溜まっていた家事をしていれば、ソファで寛いでいた彼が突然口を開いて。
「僕さ、Aが働いてるところ1回見てみたいんだよね」
突然突拍子もないことを、言われて思わず、え…?なんて、間抜けな声が出てしまった。突然どうしたものか、なんて思えば、いやずっと思っていたんだけどなんて。
別に変わったことなんてないし、白衣姿なら学生の時に見たことあるでしょ、なんて言うがそれでは、納得がいかないらしい。
「Aがどんな風に診察してるのか、とかさ、見れないじゃん」
『……あー、小児科だからってこと?』
「そうそう」
小児科じゃなくても彼女に診察されるのは、どうかと思うが、まあ他の科と比べてしまうと、確かに拓哉は受診したくても、絶対に受診できない。
Aは俺の仕事見れるのに、なんて言われて、いやあなたは見られる仕事でしょうなんて言うが、まあ確かに。私は彼が普段どんな風に仕事をしていて、というのは大体分かっているし、なんならYouTubeという媒体を通して見ることもできる。
ひとつ検索すれば、彼の情報なんて山ほど出てくるしな、なんて思ってしまって。
『でも想像してるままだと思うよ?』
「たとえば?」
『たとえばー?えー、拓哉くんこんにちはー、おくちあけてくださあーい、って』
普段の診察を少しだけ誇張してやれば、軽く笑われて。いや、やれと促したのはそっちじゃん、と軽く睨めば、ごめんなんて、さらに笑われた。
まあでも、大体こんな感じだ、彼も満足したか、は分からないが、たたみ終わった洗濯物を寝室に持っていこうと思って立ち上がれば、こっちきてーなんて腕を引っ張られて、そのままソファに沈んだ。
目の前に座る拓哉は、こちらを見つめていて。何か、嫌な予感がするな。
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エンスイ(プロフ) - ちひろさん» コメントありがとうございます!リクエストは受け付けているのですが、今書いているメンバーでいただけたらと思っており、tmrさんは私自身も雰囲気等あまり理解できていない部分もあり難しいかもしれないです……。今後機会があれば書かせてください…! (2021年2月22日 2時) (レス) id: 275b77238f (このIDを非表示/違反報告)
ちひろ - はじめまして、いつも読ませていただいてます。リクエストなんですが、tmrさんを出来ますか?出来たらよろしくお願いします。これからも頑張って下さい。 (2021年2月20日 23時) (レス) id: 192c096d22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エンスイ | 作成日時:2021年2月17日 12時