【あんスタ】目が眩むほど美しいステージで君を待つ。【2】

夢を見るから明日は来る。 ページ21

｢あ、あまり見ないで...｣



｢いや...君にしては素直じゃないか。｣


｢だ、だって...宗は気が合うし優しいし...裁縫とか教えてくれるし...こうやって普通にお話したりお出かけしたり、して、くれるから、｣


恥ずかしくて顔をメニュー表で隠すAを見て宗は可笑しかったのか口の端を上げて弧を描いた


｢当たり前じゃないか。君は僕が認めた類まれなる友人の一人だからね｣


｢わ、私も！宗のこと大事な友達だと思ってるわ｣


｢.....一つ、約束してほしい｣






｢この先、何が起こっても。“僕ら”が君を突き放すときが来ても、僕は君を大切に思っていることを忘れないでいてほしい。｣



｢....どういう意味？｣



｢.......すまない。君の為だ。これ以上は僕の口からは言えない｣


あまりにも宗が悲しそうな顔をするのでAはこれ以上模索するのを止めた。
しかしそれはまた不服で、だった。



｢生徒会も、貴方達も...今の夢ノ咲で皆何を企んでいるのかしら。奏汰も意味深なこと言っていたけど、私が貴方達を見捨てるわけないのに｣




｢____君には、明るいステージだけを見ていてほしい｣









宗は静かに目を伏せた。





今この夢ノ咲のアイドル科で起ころうとしている事実。誰が、誰かが影で糸を引き今まさに戦争が始まろうとしている。

それは薄々巻き込まれる人達は勘づいていた。

そんな中、そんな彼らは一人のお姫様を守りたかっただけだった

彼女には明るくキラキラしたステージに立っていてほしい、醜い汚れた戦場に巻き込みたくない

そんな当のお姫様は何も知らずに“まだ”綺麗な場所で“大切な友人”と笑う姿は露骨にも滑稽に見える


宗は再び目を開けると、愛おしいお姫様は幸せそうにパンケーキを頬張っていた


｢美味しいっ、宗も食べる？｣







大事に大事に籠に入れて、誰にも目を付かないように隠しておきたいだけ。

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