【あんスタ】目が眩むほど美しいステージで君を待つ。【2】

夢を見るから明日は来る。 ページ19

｢ひゃっ｣


｢うわ！｣



みかと話していると突然の叫び声と共に茶色い何かが飛びついてきた

咄嗟にそれを受け止めるとそれはペロペロと頬を舐めて嬉しそうに尻尾を振っていた



｢と、突然何するんや！｣


｢うちの大吉がすみません！！｣


飼い主らしき男子生徒が走ってきて謝罪するもみかが食って掛かる


｢ん、ふふ、くすぐったい、いや大丈夫よ？動物は好きだから｣


大吉、と呼ばれた犬はAをペロペロと舐めてクーンと鳴く。その可愛らしさにAは頬を緩ませるとみかと男子生徒はぽうっと顔を赤くさせた


｢か、かわいい...｣


男子生徒がそうもらすとみかがキッとそれを睨んだ


｢Aねぇはお師さんのものやから手ぇ出さんといてくれる？｣


｢え！キラキラなおねーさん彼氏持ち！？残念...｣


｢ふん！これに懲りたら諦めるんやな！｣


｢ちょっとちょっと、彼氏いないし宗のものでもないんだけどな｣


知らず知らずに話が進んでいくのを静止する


｢んん？もしかしておねーさん、魔女ってやつ？もっと怖い人かと思ったら女神様みたいにキラキラしてるっ｣


｢っ？｣


その男子生徒の純粋無垢なキラキラとした瞳はどこかで見たことあった

その瞳は“ここ”では“本来あるべき姿”であることだったが、その瞳をしているものはこの学院では少ない

少なくともそのキラキラとした瞳に似た人物といえば頭に浮かんだのは今入院中のレオだった


｢っ、そう｣


｢Aねぇ、こんな変なやつ放っておいて行こ？｣


｢変なやつじゃありません！俺は明星スバルです！｣


｢な、何でもええやん放っといてな、！｣


｢明星って...あれ、夏目のお友達かな？｣


｢えっ、あ....友達、なのかな？う〜あいつ何考えてるか分からないから少し苦手なんだよなぁ｣


夏目がかつて｢同じクラスの明星くん｣というのを思い出してそう聞けば思いのほか好かれてないのかうんうんと唸るスバル


｢......でも、あの子クラスに友達が出来たーって嬉しそうに言ってたの、本当よ。悪い子じゃないから仲良くしてくれないかしら｣


｢めっ、女神様がいうなら！！｣


スバルに微笑むとまた顔を赤くしてAの両手を握るスバル。



最近は色の濃い新入生達との絡みが多くてかなり新鮮な気持ちだ。後輩に対する態度とか考えていたら自然と柔らかくなるな、と自分でも思う。そう思いながらニコニコと笑うスバルを見て自然と自分の口角も上がるのがわかった。

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