デート/5 ページ28
その後、食べ終わったあとレジでお金を払おうとしたら止められて、あたふたしている間に華麗にお会計を済ませた零さんは、さっさと店を出た。
「れ、零さんっ。やっぱり払います！」
でもやっぱり申し訳なくて、半ば強引にお金を押し付けようとしたけど「この俺様ちゃんの厚意が受け取れね〜のか？」って凄まれて押し負ける。ああ、でもこれ、なんだか出会った当初を思い出すなあ……。
……というか。全然レッスンらしいことをしていないというか、ただ好きなように遊び回っているだけに思えるけど、いいのかな？
今だって、店を出たあと近くの繁華街まで来て、たまたまショーウィンドウに飾られていた小物が可愛くて少し見ただけで「そこ、寄ってみるか？」って店に入らせてくれたし。零さんだし、なにか深い思惑でもあるのだろうか。もしくは逆に零さんだから特に何も考えてないのか。不安に思ってちらりと見ると、彼は私の心配なんてどこ吹く風といったような穏和な笑顔で手招きをしている。
「A、見てみて。これ、どう？」
彼がいたのは、雑貨店の一角にあるアクセサリーコーナー。指を指した先にあったのは、ピンクゴールドのネックレスだった。お洒落だけど派手すぎず、可愛すぎなくて私でも欲しいと思えるデザインだ。
「わぁ……素敵です」
「だろ？ふふん、俺様センスあるだろ。他になんか良さそうなのある？」
「そうですね……あ、この隣のやつ、零さんに似合いそうです」
隣に並んでいたのは、零さんの瞳の色と同じ燃える炎のようなラウンドカットのルビーがあしらわれたシンプルなペンダント。零さんは多分何でも似合うけど、これはよく似合うだろう。顔をあげると、彼は同時にぷっと吹き出した。
「なっ、なんで笑うんですか！？」
「え？ふ……くく、いや、お前の好みを聞いたのになんで俺の話になるんだよ、って思ってさ」
「……駄目ですか？」
「駄目じゃないけど、普通にお洒落だし。え〜と、さっきのこれでいい？」
「何がですか？」
意味が分からなくて聞き返すと、彼はルビーと同色の瞳を細めてにやりと不敵に笑った。「俺様ちゃんからのプレゼント」その言葉の意味を理解し、声が裏返る。
「ぷ……！？わ、悪いです！私、ただでさえお世話になってるのに！」
「それなんだよな。なんつ〜か、いきなりつきあわせたお礼っていうか？毎日頑張ってるご褒美っつ〜か……」
首を捻りながら言う零さんに、何もかもこちらの台詞なんですけど！と脳内の自分が声をあげる。プレゼントなんて滅相もない、むしろ私がお礼をしなくちゃならないのに！
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萩(プロフ) - まめだいふくもちさん» まめだちふくもちさんが見てくれてるなんて(涙)。最初コメント見た時に変な声がリアルに出ましたw。ありがとうございます。もう、本当に、夢主ちゃんにお伝えください。草葉の陰から応援してるよ！…と。 (2019年8月27日 22時) (
レス) id: cfe465a6d3 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 萩さん» 萩さん、コメントありがとうございます。夢主ちゃんの味方をしてくれる方がいて夢主ちゃんも嬉しいと思います……！ここで言うのもアレですが、私も萩さんの作品を楽しみにしております。お体に気を付けて、更新頑張ってください。 (2019年8月26日 20時) (レス) id: 59bafee163 (このIDを非表示/違反報告)
萩(プロフ) - ごめんなさい、これだけ言わせてください。零さんかっけぇ。零さんの言葉ひとつひとつが重くて、夢主ちゃんにはとても大切なことなんだなと思いました。夢主ちゃん！頑張れ！私は！君の味方だぞ！(大声) 毎日この話を読んでは癒されています。これからも頑張って下さい (2019年8月25日 22時) (レス) id: cfe465a6d3 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - 厘さん» コメントありがとうございます！夢主ちゃんの成長を温かく見守ってあげてください。同じ奇人Pにコメントいただけて嬉しかったです、ありがとうございます〜！ (2019年8月13日 17時) (レス) id: 59bafee163 (このIDを非表示/違反報告)
厘 - …神様ですか？いや、神様ですね。ネガティブな女の子の成長とか見るの好きですし、三奇人の人達も大好きなのでこの作品に出会えて良かったです！熱中症に気を付けてお過ごしください、応援してます。頑張ってください！！ (2019年8月12日 21時) (レス) id: 4d8a897ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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