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38/外交。 ページ38

◆◇◆

 足音と話し声が微かに聞こえてくる。
案の定、この部屋の前で止まったそれらは、扉を開けて中に踏み入った。
一人、中で待機していた私は、扉が開いた瞬間からすでに頭を下げている。

「こちらが今日ご用意させて頂いた部屋です。遠い地からご足労頂いて、さぞお疲れでしょう。さ、どうぞお座りください」

「いやはや、では、失礼して」

 初めに相手方の役人が腰を下ろし、続いてオスマン様とトントン様が座ったのを確認する。
そこで初めて面を上げた私は、一瞬だけ相手方を盗み見た。

 真正面に座るのは、中肉中背よりやや小太りな印象の男。
人の良さそうな目が、銀縁の眼鏡の奥で細められている。

 そしてもう一人、彼の座るソファの斜め後ろに控えるように立ったままの男。
黒いスーツを着こなした背の高い男性で、伏目がちに立ちつくしたまま座ろうとはしない。
見かねたオスマン様が声をかける。

「良かったら、そちらの方もお座りに――」

「いや、お構いなく。こちらは共に連れてきた私の部下ですので」

「……そうですか」

 答えたのはスーツの彼ではなく、ソファに座る男だった。
そこで、オスマン様がちらりと私を見やる。それに目礼を返して、私はもてなしに取り掛かった。

「それでは改めまして。我々国の外交を一任されております、オスマンと申します。本日はよろしくお願いいたします」

「はい、こちらこそ本日は面会を了承して頂けたこと感謝しております。クリスフォードと申します」

「我々国の書記長を務めております、トントンと申します。以後お見知りおきを」

 問題もなく、まずまずの滑り出しだ。
紅茶と菓子を用意する横で、三人は互いに握手を交わす。

*

39/小さな棘を、→←37/悪い予感。



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江之子(えのこ)(プロフ) - wlthzさん» コメント、ご意見ありがとうございます。一言についてですが、このスタンスをとれるのも紙媒体の小説にはないサイトの魅力だと考えていますし、これを気に入ってくださる方も居るので、今後は思いついたときに挿入するスタイルに変更しようと思います。 (2017年7月24日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
wlthz(プロフ) - コメント失礼します。1話終わるごとに挿入される一言で興が削がれます。物語自体は面白く読ませて頂いているので、そこだけが少し不満です。 (2017年7月24日 19時) (レス) id: 45eb196b6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:江之子(えのこ) | 作成日時:2017年5月9日 0時

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