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17/幸せの味が、 ページ17

*

 ――私は戦争が好きなのだ。

 いつか聞いた言葉が思い起こされる。
彼は――彼らは、一体どんな思いで、この国を造り上げたのだろうか。

 そして目の前の情景の向こうに浮かぶ、故郷の面影。

『どうすれば、こんなに幸せな街になるのかしら』

「お嬢様……」

 ぱくり。
ほら、こんな何気ない食事でさえ、幸せの味がする。

『美味しい』

「はい、なかなかの味です」

『え』

 思ったより素直に褒めたので、横の彼女をまじまじと見つめてしまった。

「……何か、変なことを申しましたか?」

『ううん、そうじゃないの。……そうじゃなくてね、ただ――』

「……ただ?」

『こういうの、何かいいなって、そう思っただけよ』

「こういうの、とは?」

『お姉ちゃんと買い物に来たみたい』

「お姉ちゃん……ですか」

 訝しげに声を潜めた彼女が。私よりも背の高い彼女が。
いつでも私の歩幅に合わせて歩いていることを、ちゃんと知っている。

『私に姉は居ないのだけど……姉のような人なら居たの。その人とも、こうやって出掛けるようなことはなかったから』

「……そうですか」

『その人ね、あなたと同じ、栗色の髪をしてた』

 だから時々、あなたを見ているとあの人を思い出す。
姉のような人。姉のよう"だった"人。

「その方は、今……?」

 ユリアはそう問うた。
でもきっと、その答えはもう察している。

『亡くなったわ。二年前に』

「……申し訳ありません」

『いいのよ、私から話題にしたのだし。それにもう、過去のことよ』

 私の気持ちなどお構いなく、月日は無情にも過ぎてゆく。
吹っ切れようが吹っ切れまいが、それが過去のことであるのに違いはなかった。

*

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江之子(えのこ)(プロフ) - wlthzさん» コメント、ご意見ありがとうございます。一言についてですが、このスタンスをとれるのも紙媒体の小説にはないサイトの魅力だと考えていますし、これを気に入ってくださる方も居るので、今後は思いついたときに挿入するスタイルに変更しようと思います。 (2017年7月24日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
wlthz(プロフ) - コメント失礼します。1話終わるごとに挿入される一言で興が削がれます。物語自体は面白く読ませて頂いているので、そこだけが少し不満です。 (2017年7月24日 19時) (レス) id: 45eb196b6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:江之子(えのこ) | 作成日時:2017年5月9日 0時

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