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13/白衣は脱いで、 ページ13

*

「あぁ。君がそう言うなら、そうなんでしょう」

『えぇ、そうなのです』

「はは……どうやら、思ったよりも強かな女性だったようだ」

 朝の陽気のように、カラカラと楽しそうにしているエーミール様。
傍から見れば私たちは、開発部の部長とその部下だ。城内でも微妙な立場に居る私が、外に出る際に不審がられないように、とエーミール様がとった措置。

 実際、裏門に配備された見張りの兵士は、エーミール様の顔を確認すると、軽く礼をしたのみで通してくれた。
城の外に出るにも、わざわざ一手間が要る。そういう点も含めて、彼は申し訳ないと思っているようだが。

 私はそんなこと微塵も思われるつもりはない。
むしろ彼には何から何まで気にかけてもらい、こちらが感謝してもしきれないくらいである。

「とにかく、今日は仕事のことは忘れて、楽しみなさい」

『……はい』

 柔い風で乱れてしまった私の前髪をさっと直し、エーミール様は白衣を脱ぐよう促した。
白衣を手渡したタイミングで、私の名を呼ぶ声が上がる。

「Aお嬢様」

『あぁ……ユリア、おはよう』

「おはようございます。エーミール様、お見送り感謝いたします」

 仕事着である軍服は脱ぎ捨て、動き易いラフな私服を着たユリアだった。

「お堅い従者さんだね。なに、これくらい何てことないさ」

 じゃあね、可愛いお嬢さん方。
そう言い残して、彼は踵を返し、城内へ戻っていった。
彼も彼で忙しい人だ。日頃の感謝も込めて、何かお土産でも買って帰ろうか。

『……さ、行きましょう』

 目線の先で、朝日を浴びた人々が動き出す。
今日もいい天気だ。

*

14/お堅い人。→←12/裏門前にて。



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江之子(えのこ)(プロフ) - wlthzさん» コメント、ご意見ありがとうございます。一言についてですが、このスタンスをとれるのも紙媒体の小説にはないサイトの魅力だと考えていますし、これを気に入ってくださる方も居るので、今後は思いついたときに挿入するスタイルに変更しようと思います。 (2017年7月24日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
wlthz(プロフ) - コメント失礼します。1話終わるごとに挿入される一言で興が削がれます。物語自体は面白く読ませて頂いているので、そこだけが少し不満です。 (2017年7月24日 19時) (レス) id: 45eb196b6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:江之子(えのこ) | 作成日時:2017年5月9日 0時

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