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11/意地悪を、 ページ11

*

「Aちゃん」

 呼ばれて、はっと我に返った。
ちょいちょいと手招きされるままに、オスマン様の元へと歩み寄る。
彼は笑みこそ崩すことはなかったが、少しだけ申し訳なさそうに眉を下げていて。

「ごめんな、ちょっと意地悪しすぎたな」

『……何のことでしょうか』

「手、震えてんで」

『………』

 押し黙ってしまった私に、オスマン様はくすりと一笑してみせた。
彼に何かを言い返しても、こちらが上手(うわて)になることは到底ない。

 やがて食器を空にしたオスマン様は、立ち上がって私の頭をコツンと軽く小突いた。

「紅茶、美味しかったで」

『……恐縮でございます』

「じゃ、僕ももう行くめうー」

『……行ってらっしゃいませ』

 ――バタン。

 再び一人になった部屋に響くのは、自分の微かな息遣いのみ。
私は、二人分の空の食器に手を伸ばした。


 ――紅茶、美味しかったで。

『……はぁ』

 紅茶の入れ方にこだわりのある彼自身が、直接私に手ほどきしたくせに。
我らが外交官長様は、ほんの少しだけ、人が悪い。

*

12/裏門前にて。→←10/人間そっくりやから。



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江之子(えのこ)(プロフ) - wlthzさん» コメント、ご意見ありがとうございます。一言についてですが、このスタンスをとれるのも紙媒体の小説にはないサイトの魅力だと考えていますし、これを気に入ってくださる方も居るので、今後は思いついたときに挿入するスタイルに変更しようと思います。 (2017年7月24日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
wlthz(プロフ) - コメント失礼します。1話終わるごとに挿入される一言で興が削がれます。物語自体は面白く読ませて頂いているので、そこだけが少し不満です。 (2017年7月24日 19時) (レス) id: 45eb196b6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:江之子(えのこ) | 作成日時:2017年5月9日 0時

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